塩ひとつまみ、砂糖少々。*yg* (ページ17)

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ミンくんの運転する車に乗って辿り着いた美術館。
どうなることかと思ったけど、思ってたよりずっと楽しめてる。

「飽きてませんか？」

『ううん、全然。寧ろずっと気になってたから楽しいよ？』

「よかったです。帰りに美術館のカフェにも寄ってみませんか？」

『うん、行きたい！楽しみ！』

学芸員さんの咳払いが聞こえて、二人で慌てて口を覆う。
こんなやり取り、学生の時以来かな？思い出して懐かしくなる。

「先輩、いつもと違いますね。」

『そう？カジュアル過ぎたかな？』

「いえ。可愛いです、とても。」

『ま、またまたぁ(笑)』

ミンくんの肩を肘でつつく。
顔が火照らないように抑えるのに必死。
今日は特にミンくんに振り回されっぱなしな気がする。

『ミンくんも格好いいよー。』

「気持ち籠ってませんよね？」

『そんなことないよ？』

勘違いしないように言い聞かせながら、しっかり鑑賞してから
念願のカフェでパンケーキを頬張る私をミンくんはやっぱり楽しそうにみてる。

『ミンくんも頼めばよかったのに。私が食べてるとこみててもつまらないでしょ？』

「そうでもないですよ？大口開けてる先輩をみれるなんて、なかなかレアですから(笑)」

『だから楽しそうな訳ね？』

「顔に出てました？」

イヒヒって歯をみせて笑うミンくんの口に、パンケーキを押し込んだら、
穏やかに緩んでた目を見開いて私を睨んできた。
女心？いや母性かな？
くすぐられる可愛さに、ニヤニヤしてしまいそう。

『ミンくんのクリームついた顔みれたから、私も楽しいよ(笑)』

お返しとばかりに笑ったら、ちょっと不機嫌なミンくんの指が私の口に触れた。

「後で痛い目みるのは先輩のほうですよ？」

指先についてるクリームはきっと私の唇についてたもの。
それを舐める仕草がやけに妖艶で惹き付けられる。

私の心臓、うるさくてたまらない。