塩ひとつまみ、砂糖少々。*yg* (ページ2)

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ランチタイムの後、落ち着いてきた店内。
休憩から戻ってきたミンくんが「お先っす」ボソッて私に声をかけた。

何も指示してなくても、体が動く。
ホントにこんなカフェで働いてるのが勿体ない程のスキルを持ってるんだけど・・

『ミンくんて、コミュ障なの？』

「・・・」

『聞いてる？』

「聞こえてます。先輩のデリカシーのない発言にひいてたんですよ。」

じっと見つめられてるなとは思ったけど、まさかひいてるとは・・
表情が全く変わってなかった気がするんだけど？

『ごめん、でもこの先レジに立ってもらわなきゃいけないから。その・・』

「愛想振り撒けと？」

『いや、えっとね？』

「ニコニコ笑って、思ってもないこと言えってことですか？」

相変わらずの無表情のまま、抑揚のない言葉をつらつらと述べるミンくんに
反論できない情けない先輩の私。

『一応接客業だし、お客様の全てを受け入れろとは言わないから、少し歩み寄ろうとは思えない？』

「思えません。」

ダメだ。
話が通じない。
絶対絶対、コミュ障だ。

「それに俺、コミュ障じゃないから。」

『ならどうしてもう少し優しく言えないわけ？』

「優しく言ったら解決したんですか？あーいう引かなそうな相手には乱暴な言い方に限るんです。そっちの方がこの店のためにもなる。」

『はぁ？！この店のため？あのお客様がSNSで悪い噂流したらどうすんの？あなたの一言でこのお店が無くなるんだよ？！』

埒があかない上に制御が効かなくなって、大人げなく大きな声を出していたことに、
店長に声をかけられるまで気づかなかったなんて。

口うるさい上に、小言ばかりの小姑に成り下がっていくのかな。
あぁ、凹む。