塩ひとつまみ、砂糖少々。*yg* (ページ6)

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『近い！もう少し離れてよ！』

「痛っ！！」

『え？！ごめん！大丈夫？！』

つい突き飛ばしてしまってから、ミンくんが怪我をしてたことを思い出したけど、もう遅い。
どうしよう、また病院送りとか・・笑えない！

『ミン・・くん？』

「・・ﾌﾌ(笑)大丈夫ですよ。」

『・・え？』

「嘘ですよ(笑)どこも痛くないんで心配しないでください。」

また突き飛ばしそうになった手を慌てて引っ込めて、行き場のないモヤモヤを吐き出すためには、精一杯の怖い顔で睨むくらいしか思い浮かばなかった。

謝ろうと思ったのに。
大丈夫？って声をかけようと思ったのに。

「先輩に怖い思いをさせました。すいません。」

ミンくんの方がずっと大人で、冷静な判断をしてる。
やっぱりダメダメなのは、私の方。

「先輩に注意されたときにきちんと話しておくべきでした。」

狭い車内で頭を下げられて、どうしたらいいかわからなくなる。

「だから責任を感じないでください。悪いのは全部俺です。」

『そんなこと、』

「あります。だからそんな顔しないでください。」

ゆっくり顔を上げたミンくんは、眉を下げて困ったように微笑んでる。見慣れなくて、目を離せない。

「辞めるなんて言わないでくださいよ？先輩に教わること、たくさんあるんですから。」

『ミンくんに、酷いことたくさん言っちゃったよ？』

「先輩の言葉に間違いがなかったから腹が立っただけで・・俺も先輩に酷いことたくさん言いました。」

「おあいこです」少し恥ずかしそうに微笑むミンくんが久しぶりに可愛らしく思えて。
少しだけ、頬が熱くなった。