塩ひとつまみ、砂糖少々。*yg* (ページ4)

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『あなたは・・今日の・・？』

「彼はどこ？閉店まで一緒に働いてたのは知ってるんだから！」

『ちょっと、落ち着いてください！』

「余裕ぶって・・！頭にくる！」

ミンくんに絡んでたお客様だ。
帰ったのは確か午前中だったはず。私たちの仕事をしてる姿をみてたってことは・・それまでここにいたってこと？
なんだろう、嫌な予感がする。

「彼を先に好きになったのは私なのに！」

『ちょっと待って！私と彼はただの同僚で、』

「嘘つくな！！そんなわけない！！」

彼女の気迫にやられて体が動けない。
うまく言葉も出てこない。
誰か助けを呼ぼうと思った瞬間、彼女の振りかざした手に何かが光るのがみえた。

避けるよりも、逃げるよりも先に目の前が暗くなる。

金属がアスファルトに転がる音。
見覚えのあるシャツと、「痛てぇ」聞き覚えのある声。

『ミンくん？！大丈夫？！』

ゆっくり座り込むミンくんが、顔を歪める。
その向こうで真っ青な顔でこちらをみてる彼女。
側に落ちているカッターナイフをみて、嫌な予感が現実になる。

「Aちゃん！ユンギ！どうした？何があった？！」

騒ぎをききつけたらしい店長に、事情を話せないほど動揺してる私。
そんな私をミンくんが抱きしめてる状況。

どうしよう？って思うだけで体が動かない私にいいんだよって言ってるみたいに背中を撫でてくれる。

「先輩、怪我はないですか？」

少しずつ息を荒くしながら、私を気遣うミンくん。
頷くだけの私を抱きしめながら「よかった」って呟くと
こんな時なのに初めて小さく笑った。