あざとさと、可愛さと、男らしさと。*jm (ページ30)

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トイレまで着いていくわけにもいかず。
いや、その前にものすごく怒らせちゃったから、着いていったとしても余計火をつけるだけだったと思う。

「遅すぎる・・」

でも、こっそり着いていけばよかったと後悔。

イケメンの淹れたコーヒーは冷めてるのにおいしく感じる。
予想外のテヒョンとか、イケメンの登場に動揺した俺が悪い。Aちゃんは純粋に俺に喜んでもらいたかったのかなって、また後悔。

“Aちゃんさっきはごめんね。
どこにいるの？迎えに行くよ？”

電話よりは反応があるかもとメッセージを送ってみる。数分経っても反応無し。
とりあえずトイレの方へ向かってみるけど、姿はない。出てくる女の子たちに変な顔されるのもお構いなしに待ってみたけど、出てくる気配はない。
何かに巻き込まれたのかも？とスマホを取り出したところで

「あれぇ？Aちゃんの彼氏くん？」

さっきまで散々牽制してた相手の登場に、情けないなんてことを忘れて

「Aちゃんみませんでした？トイレに行くって行ったっきり戻ってこなくて・・」

俺よりずっと男らしい彼の腕を掴んでる姿、めちゃめちゃダサいなって、必死になりながらも凹む。

「Aちゃん？あー、そういえば・・」

「知ってるんですか？！」

腕を掴んだままぐらぐら揺する。
不安と、自分自身のダサさに潰れそう。

何か言いかけて口を閉ざしたイケメン。
潰れそう・・だったけど、もう潰れかけてる。

「俺の口からは言えないな。」

不安が大きくなって“もしかしたら”が、現実になりかけそうなのを必死に追い払う。

「直接聞いた方がいいんじゃない？
君の思ってることを伝えればいいと思うよ？嫉妬はカッコ悪いことじゃないしね(笑)」

イケメンのイケメンすぎるウインクが少し遠くなる。
同時に、大好きな人のにおいがする。