あざとさと、可愛さと、男らしさと。*jm (ページ18)

今日:3 hit、昨日:32 hit、合計:142,265 hit

＊18＊ページ18

「もうチケットあるから」と連れ出された水族館で「あの魚美味しそう」なんて残酷な会話をしながら、ただ楽しい時間を過ごして。

それから海岸を並んで歩いたり、
学生みたいに波打ち際を歩いてみたり、
貝殻を探してみたり。

あっという間に海がオレンジ色に染まり始めた。

お昼をお腹がはち切れんばかりに食べたっていうのに、柄になくはしゃいだせいか、私のお腹の虫が盛大に声をあげた。

大口を開けて笑うジミンをど突いたら、思いの外いいところに入ったらしく
丸まったジミンに焦る私。

『ごめん！大丈夫？！痛い？！』

「・・・ｸﾌ(笑)」

ん？笑い声？？
耳を澄ましてみても聞こえない。気のせいかな？

『擦る？ホントにごめんね？！』

「じゃあ・・して？」

『え？何？！』

「キスして♡」

もしかして？と顔を覆う腕を退かせば、ニヤリと悪い顔が現れる。
『もうっ！』ってお腹めがけて振り上げた手が掴まれて引き寄せられる。
勢いでジミンの胸に飛び込んだこの状況が恥ずかしくて、離れようとしたのに動けなくて。

一瞬の隙を突かれて、
私の背中に回ったジミンの腕に隙間なく抱きしめられて、顔が一気に熱くなる。

『ねぇ・・離して。』

「やだ。無理。」

『好きな人が嫌がることすんの？最低。』

「Aちゃんらしいなぁ(笑)でもそういうとこが好き♡」

『聞いてる？嫌なんだけど？』

「嫌なら振り切って逃げて？」

『ではお言葉に甘えて。』

唯一知ってるジミンの弱点、脇腹をくすぐったら解かれる腕。

その隙に逃げたけど、砂に足をとられて派手に転んだ私を
追いかけてきたジミンは私より派手に転ぶから
二人で砂まみれになりながら笑った。

楽しい。
こうして隣で笑っていられて、居心地がいい存在。
これからもずっと、こうしていたい。
わがままな心がポツリと呟いた。