あざとさと、可愛さと、男らしさと。*jm (ページ16)

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“覚悟してね？”

うとうとし始める度にジミンが夢の中に現れて私を睡魔から引き離すから
結局一睡もできないまま朝を迎えた。

”同期“から“私のことを好きな人”に変わったとはいえ、
私自身には何も変化なんてないと思ってた。

「Aちゃーん！おはよー！」

寝つけないのにまた襲ってきた睡魔に身を委ねようと、ベッドにダイブしようとしたら
玄関の向こう側から聞こえてきた声にまた引き離される。

「開ーけーてー！あーそーぼー！」

言葉にしたことで何かが吹っ切れたのかもしれないけど、キャラが変わりすぎてて戸惑いつつ。
止めてくれそうにない迷惑行為に、仕方なく扉を開けた。

「やっと開けてくれたー！おはよ、Aちゃん！」

『あのー・・ジミン？』

「ん？・・あ、そっか！」

『え？・・ちょっ・・！』

飛び込んできたジミンに抱きしめられる。
私の耳元で笑うからくすぐったくて、なんだか恥ずかしくなってきた。
・・って、おかしいでしょ！
ジミンの思惑にハマってないよね？

「あーもー、可愛すぎ(笑)俺、我慢できるかな？」

『ちょっと！ジミン！そろそろ離れなさい！』

「えぇー？なんでぇー？」

『蹴り飛ばすよ。』

緩んでもまだ抱きしめられたまま。
嬉しそうに私を見下ろすジミンに、なぜか胸が苦しくなる。
不覚にも可愛いって思った自分を殴りたい！

「女の子はそんな言葉使わないの。」

抱きしめてる腕がゆっくりほどかれる。
片手で私の腰を支えたまま、もう片方の手は私の頬を撫でる。
今までなら蹴り飛ばして、笑って終わってたはずの、私たちの関係。

緩く弧を描いたジミンの唇が私のおでこに触れる。

「デートしよ？」

ジミンのあざとさに翻弄される私。
今までこんなこと、なかったのに。
ジミンの“覚悟”を思いしらされる。