愛してると言えない【HQ】 (ページ3)

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第五十二話ページ3

私がそう言うと京治は少し複雑そうな顔をした。

「それは努力してる人に失礼じゃない？」

「…そんなこと1番私が分かってるよ。でも、今回のテストは楽しかったな。どこかの正直者のおかげで。」

「ヘックシュン！！」

「ヤダ！レーヴォチカ風邪！？しっかりー！！」

「正直者？」

「私に勉強教えてって言った人がいたの。教えるも何も…って感じだった。最初はね？けど、彼のお陰で今まで諦めてたけど、頑張ってみようかなって思えたんだ。」

私がそう言って微笑むと、またしても京治は複雑そうな顔をした。

「どうかした？」

「…今の笑顔、俺がさせたものじゃないって思うとちょっと嫌。」

「何言ってるの、京治は京治でしょ？」

「そうだけど…ねぇ、こっち来てよ。ずっと机の前にずっと居ないでさ。」

「えーまだ課題終わってない。」

私がそう言うと、いじけたように私の後ろまで歩いてきて、肩に腕を置いた。

「近いー。」

平然と振る舞うが内心はドッキドキ。

心臓の音が聞こえないかヒヤヒヤだ。

「課題やってていいから、我慢して。」

課題が終わる頃には京治は私のベットに寄りかかって、すやすやと眠っていた。

時計を見れば時間はなんと12時過ぎ。

京治起こさないと。

近づき肩を叩こうとしたが、夕食を食べていた時に”明日朝練あるし早めに寝ないと”と言っていた京治の言葉が頭をよぎった。

寝てるの起こすのは悪いかもしれない。

京治の背中に掛け布団を掛けて、起こさないようにゆっくりとベットの中に入り眠りについた。