検索窓
今日:39 hit、昨日:165 hit、合計:4,524 hit

第六十六話 ページ17

全員を起こして私達は梟谷へと降り立った。



荷物をバスから取り出していると、聞き覚えのある大好きな声が聞こえた。





「黒尾さん。今森然高校が揃っているので、その隣の部屋に荷物を置いてください。分からないようでしたら案内しますけど、大丈夫ですか?」



「おぉ、赤葦か。了解、ってことは前回と違って俺らの部屋は端じゃないのか。…去年みたいに出来ないから騒ぐなよ?特に山本。」



「は、はい!気を付けます!」



「案内は良いよ、分かるから。」



「分かりました、あ、でもマネは分かんないかな?A、案内するから着いてきて。」



「分かった。」





京治について行く。



暫くの間無言が続いた。



しかし先に口を開いたのは京治だった。





「結構マネの仕事上手くやってるみたいだね。」



「…え?あぁ、うん。頼まれたことだしちゃんとやらなきゃでしょ?」



「確かにね。けどあんまり頑張ってる姿見られちゃうと、音駒の誰かさんとかみたいにAのこと取ろうとする人が増えるからなぁ。」






京治は分かりやすく顔を歪めた。



思い当たる人でもいるのだろうか。





まぁ、私は?



微塵も私を取ろうとする人がいるなんで思ってないんですけども…。



そもそも、私は京治しか見てないし??



気にする必要なんてないのに…。



なーんてことは言わないでおくけど。





クスリと私は笑って言い返した。






「何言ってるの…私は京治のものなんでしょう?」



「ふふっ。そーだよ。Aは俺のもの。だからちゃんと気をつけてよね。」





ピタリと足を止めて私の方へ向く京治。



マネの部屋へ行く道中、今は誰もいない道。



それを見計らったかのように京治は私の髪を梳き、束にして手に取ると髪にキスを落とした。





「な、何して…。」





私の顔は誰が見てもきっと茹でダコのように赤く染っていて、照れてると分かるだろう。



お構い無しに京治は続ける。



手に取った髪の束から手を離すと、私の髪はふわりと揺れた。



京治は私を見つめ、頬に手を当てるとゆっくりと撫でるように首へと這わせる。





「け、京治…?」





私が名を呼んでも、無言を貫き、まじまじと私を見つめる。




擽ったくて私が身をよじると楽しそうに京治が笑った。






「…っ。」





なんだその笑顔…怒るに怒れないじゃないか…。





そして次の瞬間京治は____

第六十七話→←第六十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治 , 黒尾鉄朗   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒猫。(プロフ) - 黒月さんのハイキュー作品がめっちゃ好きです・・・(悶え)これから合宿どうなるのか楽しみすぎて夜しか眠れません!!更新頑張ってください! (2022年1月7日 18時) (レス) @page13 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒月 | 作成日時:2019年5月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。