愛してると言えない【HQ】 (ページ12)

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第六十一話ページ12

「お疲れ様でしたー！！」

『お疲れ様でしたー！！』

部活が終わって各自部室へ向かってた。

私は女子更衣室を借りた。

1日やってみたが、意外と慣れればスムーズかもしれない。

合宿は一週間後の土曜日。

京治に言っとかないとな。

あーでも何言われるかなー？

反対はされそう？

もう決まった事だし無理だけどね。

「ただいま。」

「おかえり、ご飯まだだから先お風呂入って来て。」

「分かった。」

…なんか今の発言専業主夫みたい。

私は京治が準備している間にお風呂に入った。

…どうしよう。

絶対なんで今日、帰りが遅かったのか聞かれる。

正直に言って穏便に済ませられるか…。

「…はぁ。」

ずっと考えてても埒が明かないし、早く出てしまおう。

「お先に。」

「あぁ、丁度よかった。出来たから座って。」

「うん。」

二人で向かい合って座った。

2人の時は大抵向かい合わせ。

京治は折角二人でいるのに顔見れないのは嫌じゃない？とか言ってたな。

分かる気はする。

まぁ、私はあんまり気にしていないが。

暫くご飯を食べていた時京治が手を止めた。

箸を置いて私を見つめてきた。

来る！

「それで？今日遅かった理由は？」

来たっ！

京治って心配性というか…んー束縛が強い？

そういう訳じゃないか。

ちょっと遅れただけなのにって言った時は”一応美月さんに家にいない時は任されてるし、何かあってからじゃ遅いから”って言ってたっけ？

「実は…男バレの臨時マネをすることになりました…。」

「…というと時期的に合宿の時？」

「うん。合宿の時にマネいないのが音駒だけだから、大変だからって。」

「ふーん…じゃあ、合宿終わるまでは部活やるって事か。帰りは今までより遅くなりそうだね。」

あれ？

思ってたよりすんなり話聞くんだな？

「…何か企んでる？」

「え？いーや？」

嘘だ。

”いーや”って否定する時は嘘をついてる時なの知ってるよ？

「え、ほんとにそれだけ？」

「なんか言われるとでも思った？何も言わないよ。だって…Aは俺の(・・)ものでしょ？」

するりと頬を撫でて、そのままごちそうさまというと部屋へ戻って行った。

さっさと寝て部活行って合宿に備えるのみ！

私はご飯を食べて片付けると布団へ潜り込んだ。