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美しく儚げな歌声が、黄昏の空の下で響き渡る。
その声は、3700年前世界中の人々を魅了し熱狂させたトップ歌手――リリアン･ワインバーグのものだった。
…あぁ、そうだ。彼女も
石化後も、彼女は…。
『……私が止まっていた音楽の歴史を動かしたなんて、烏滸がましいにも程があった』
「…」
『音楽の歴史の針が動いたのは今この瞬間だ。これが…これこそが音楽だよ。何百年何千年経とうが彼女の歌は色褪せない…この小さな丸いガラスの中で、リリアン･ワインバーグは生きてる…』
レコード見つめ、呟くようにそう言えば、隣にいた千空に目元をグイと拭われた。
「泣いてる」
『！…通りで千空が歪んで見えるわけだ』
彼を見上げ、ふふっと笑って言えば、よく泣くようになったな。と揶揄うように言ってきた千空。
『今まで泣かなかった分のツケかな。でも
それ以外の理由は、私の沽券に関わる』
「ククク、涙脆くなろうがそこはブレねえな」
『まあね、癖みたいなもんだし。
…それに、生憎大人しくてか弱い女の子は似合わないもので』
悪戯っぽくそう言えば頭をくしゃりと撫でられた。
――時間にして僅か3分。歌が終わる頃には何人もの人達が涙を流していた。
ギアを回していた銀狼が、すごいよぅ…！とずっと泣いていた為、顔拭きなよと布を渡してやると、昔にはこんなすごい音楽がたくさんあったのぅ？と言う。
『…うん、たくさんあったよ。音楽だけじゃなくて他にも色んなものが』
「あぁ。ゲーム、テレビ、漫画、映画…どいつもこいつも科学の進歩で作れるようになったエンタメどもだ。
世界には超絶面白ぇもんが山ほどあった」
当たり前のようにあった娯楽はもう失われた。それでも今、"現代を生きる"私たちのこころの中には残っている。
「テメーらにも全部見してやるよ。司帝国ブチ倒して、世界中の石像復活させたらな…！」
千空がそう言えば、村のみんなが歓喜の声を上げた。
よりやる気の高まった村のみんなを見て微笑ましく思っていれば、スイカが司軍のみんなもレコード聴いたらいいんだよ…と涙を流しながら言う。
カセキも賛同するように、攻撃の手を止めてくれちゃったりしないかの〜。と零した。
『…そうだね、それが出来れば…誰も傷つかずに済む気がするなぁ』
「……」
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは！コメントありがとうございます！ 全部読んでくださってありがとうございます！！（ ; ; ）温かいお言葉凄くありがたいです！更新頑張ります！ (2021年1月17日 23時) (
レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2020年12月29日 21時
