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走る千空の後を追えば、村からすぐ近くのそこには複数の墓石が建てられていた。
息を整えながら見上げたその景色に、瞬時に理解した。
…あぁ、一番上、百夜さんたちの墓石だ。
『(…御前試合の宴の時、千空とルリが来てたのここか…)』
お墓参りに来てたんだ、あの後。ルリが先に帰ってたってことは、千空が1人…。
たった1人で、あの墓石を見たのか。
そう考えた時、鼻の奥がツンと痛くなる。言うタイミングがなかったにしろ、私にも言ってくれれば…。
『(…いや、違うな。言われなくてよかったかもしれない。彼にそう何度も"現実"を突きつけるのも嫌だし)』
…あの時、目元が赤くなってたのは見間違いじゃなかった。きっと、彼はここで涙を流していたのだ。
少し離れた所で足を止めていたからか、先に行ってたはずのゲンがAちゃん？と私を呼んだ。
「また難しいこと考えてたの？」
『……本当に、いないんだなって』
「…」
『…ねえゲン、人はいずれ死ぬんだよ』
「…そうだね」
『それをわかっていても納得出来ないんだよね。どうしてあの人が死ななきゃいけないんだろうって。
それが"どんな死に方"だろうと、絶対思うんだよ』
「…」
『健康に生きてようと、みんな最後は必ず地に、空に、自然に還る。そんなこと千空だって"理解"してるはずなんだよね。
でもさ、ロジカルマンの千空と言えど、たった16年しか生きてない、ただの子供なんだよ』
墓の上へと走る千空を見つめそう呟けば、ゲンは黙ったまま私に視線をやる。
『失うことの悲しみは知ってる。だから、"そう"なる時は絶対傍に居てあげようって思ってたのにさ、色々とタイミング悪すぎたよね』
はは、と乾いた笑いを零せば、ん〜…と何かを考えている様子のゲン。
「…男はカッコつけたがりだからね、好きな子の前じゃ尚更。
だから、察しの良いAちゃんには敢えて言わなかったんじゃないのかな。勿論、寂しくないと言えば嘘になるだろうけど、それでも、千空ちゃんは悲しみに明け暮れる程、ネガティブな人間じゃないでしょ」
『…』
「それに、Aちゃんが居たからそこまで寂しくも思わなかったんじゃないの、千空ちゃんは」
『…！』
「全てを共感してたらAちゃんが潰れちゃうよ。それは千空ちゃんの望むことじゃないでしょ？
だから、Aちゃんは千空ちゃんの隣でなるべく笑ってたらいいと思うよ」
『……あー…さすがだなぁ、ゲン先生』
「でしょ〜？」
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは！コメントありがとうございます！ 全部読んでくださってありがとうございます！！（ ; ; ）温かいお言葉凄くありがたいです！更新頑張ります！ (2021年1月17日 23時) (
レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2020年12月29日 21時
