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『……あ、あった、これだ』

「ゴイス〜、ほんとに見つけられたんだ、さすがAちゃん」

『いや、そもそもこれ作れたこと自体すごいよ。みんな本当にありがとう』

「ハ!あとは主役が帰ってくるのを待つだけだな」

『だね…あ、待って、星もめちゃくちゃ見える…』

「それは後で千空ちゃんにお願いして見せてもらってね〜」



土星を見つけたついでにそのまま天体望遠鏡を覗いていればゲンに引っ剥がされた。

…うう…まあ仕方ない、これは千空にプレゼントするやつだし。

もうそろそろかな、と話していると、上から見えたのはマグマが千空を運んでる姿。

帰ってきたよ、と知らせれば、みんな千空を祝うため科学倉庫へと集まってくる。マグマには目隠しをした千空を天体望遠鏡の前に下ろしてもらった。



「やあ、千空ちゃん。お帰〜」

「あ゙ー?なんだこりゃ…」

「ハ!助けを求めても無駄だぞ千空、村の皆も全員ゲンとグルだからな!」



なんて言い方…と苦笑いを浮かべ、千空、と呼ぼうとすれば、彼はクククと笑いを零し言葉を続けた。



「テメーらもようやく気がつきやがったか?俺の首と科学さえ司に差し出しゃあ、村は安泰っつう合理的な裏技によ」

『――』



そう言った千空の声色は、少しだけ悲しそうな、寂しげなものだった。

…そんなこと言わないでよ、今更誰も千空を犠牲にしようだなんて考えてないのに。

口を開こうとするとゲンが人差し指で静かに、と促してきた。



『(もう…)』

「…おい、Aはどうした」

「さぁ〜?千空ちゃん自身の目で確かめなよ」



そう言って私へ視線を送ってきたゲン。もう動いてもいいってこと?

私が千空の隣に立てば、みんなが1歩ずつ千空に寄り、彼を取り囲む。



『…千空』

「!A?」

『ちゃんと、前見ててね』

「あ?」

「オホー!1月4日イシの日!」

「今日が誕生日と聞いたぞ!千空の」

「みんなからの誕生日プレゼントなんだよ…!」



スイカが目隠しを外せば、千空が息を呑んだのがわかった。

今、彼の目に映るのは数多の輝く星々と、其の昔、天文学者であるガリレオ・ガリレイが初めて観測したと云われる土星…。

そしてそれは、恐らく、3700年前からよく見ていた景色…――。



「天体望遠鏡…?いや、天文台――」



彼は辺りを見渡しそう呟くように言うと、少しだけ目を細め、慈しむような表情で夜空を見上げた。



『お誕生日おめでとう、千空』

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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時

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