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『ゲン、ありがとうね』
「え?」
千空の誕生日をサプライズでお祝いするため、村総出で科学倉庫の改装と天体望遠鏡を作っていた。
その作業の途中、彼にそう言うと、どうして?と返ってくる。
『私1人だったら千空の誕生日なんてずっとわからなかったもの。そもそも復活した日を知らなかったし…。
それに、いつも自分のことで精一杯だもん。サプライズしようだなんて思いつかなかったよ』
「いや〜そもそも千空ちゃんにサプライズ自体リームーでしょ。Aちゃん嘘つくの上手じゃないし」
途中でバレそう。と言われ、反論したかったものの、自分でもそうなるオチだろうなと思い口を噤んだ。
…いやでも悔しいな!ゲンに言われると尚更悔しい!
うう…と項垂れていれば、その気持ちだけで十分でしょ。と笑うゲン。
「それに、サプライズじゃなくても毎年きちんとプレゼント渡してたなら千空ちゃんも喜んでたんじゃないの?」
『まぁ…そりゃあプレゼント渡したらそれなりに喜んでたけど…』
「いつからかは知らないけど、好きな子から何か貰えるだけで嬉しいもんだよ、男なんて」
『…そうかな』
「そうそう」
メンタリストがそう言うならそうなのかも。なんてゲンを根拠に納得していれば、A!とコハクに呼ばれる。
「この部分はどうするのだ?」
『あぁ、そこね、私も一緒に行くよ』
「じゃあ俺は天体望遠鏡チームのとこ行ってこよ〜」
* * *
始めこそ遠慮がちだったが、時間が経つにつれ、自然と自分から前に立ち、指示を出すようになっていた。
それこそ、千空と重ね合わせてしまうくらいに、彼女がそこに居ることは馴染んでいた――。
「A、少しいいか?」
『はーい。どうしたの?』
「!すまない、何かしていたのなら後ででもいいのだが」
『平気平気。先に要件聞くよ』
戸を開ければ何かを縫っていたAはそれを置き、なに?と尋ねる。
「明日の段取りをと思ってな。どちらかでもスムーズに行える方が君も助かるだろう?」
『あ、それは凄く助かる〜!ありがとう、コハク』
設計図を広げ明日の確認を手短に終わらせる。
大丈夫そう?と尋ねる彼女に向け、にんまりとした笑みを浮かべれば、顔が引き攣ったA。
「それは千空へのプレゼントか?」
『…聞くと思ったよ…。…皮袋、新しいのあげようと思って』
「良いではないか、きっと喜ぶぞ。
ついでにキスでもしてやればどうだ?」
『コハク!!』
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時