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少し高い丘へ着くと、丁度朝陽が昇るタイミングだった。
前へ出ていたスイカに、行き過ぎると危ないよ、と声を掛ければ、その瞬間目に飛び込んだのは宝石の如く輝く蒼い光――。
「綺麗…」
『すごい…朝陽が昇るあの瞬間だけ輝いた…
…!もしかして、紫外線で…?』
「あぁ…灰重石っつってな、紫外線当てると蒼く光る…。紫外線の反応が強く出る時間は、朝陽が昇る直前…つまり今だけだ!」
「この一瞬だけ輝く魔法の石だね」
「初めて見たぜこんなもん…」
スイカの手の中で未だ輝く灰重石に負けないくらい、赤い尖晶石の瞳を輝かせると、彼は嬉々として言葉を紡いだ。
「クロム&スイカの超絶グッジョブじゃねえか!こいつは現代のフィラメントにも使われる――
原子番号74、タングステン…熱に負けねえ、全宇宙最強の金属だ…!」
* * *
竹よりも凄いタングステンとやらを見つけられたところで、手詰まりだったロードマップが進められることになった。
まだカケラ程度しかないため、とにかくそのタングステンを採りに探索用のライトを急いで2つ作れば、残りの1つは千空ちゃん直々の指名でマグマちゃんが選ばれる。
心配そうなAちゃんに、大丈夫だよとだけ告げ、マグマちゃんに耳打ちをすれば、クロムちゃんを先頭に3人が出発した。
「やっといなくなってくれたね〜。石神村から千空ちゃんがさ〜〜」
『ゲン、顔がゲスすぎる』
「みんな〜〜ちょっと聞いてよ、Aちゃんから素敵な話があるんだよ〜〜♪」
Aちゃんに振れば、何で!?と俺の肩を掴んで揺さぶる彼女。
だって千空ちゃんの彼女はAちゃんだし。と言えば、顔を赤くしながら大人しくなった。
…そんな初な反応されると尚のことからかいたくなっちゃうね〜。
ほら、と背中を押してやれば、おずおずとみんなに話し始めたAちゃん。
『…千空の誕生日なの、3日後。それで、みんなにプレゼント作るの手伝ってもらえないかなって…』
「ハ!何故そんなに遠慮する!気を遣うことなどなかろう!」
「村長の祝いならば皆でやるのも当然だ」
「僕も手伝うよ!」
コハクちゃんが一番初めに賛同すれば、自然と周りもそれと同じ反応をしていく。
…ありがたいね〜、こういう時真っ先に手を挙げてくれる人がいるのは。
「で、一体何を作るのだ?」
「あ、そうそう、それは俺も思ってた」
『…作るのは、天文台と天体望遠鏡。
誰でも宇宙を観れる、素敵な道具だよ』
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時