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Aの戦略と日本刀、それとゲンの仕込みのお陰で司軍を追い込み、全員が安堵した時だった。
「…本当にちゃんとしてますね。科学王国の君たちも、"Aクン"も」
「…?」
「Aクンはこの戦闘そのものが陽動であることに勘づいていたのしょうが、残念ですね。止められなかったのは。
君たちが早く気づいていればもっとちゃんとできたでしょうに」
氷月のその言葉に村の方を振り返ればあちこちで燃え盛る炎と、逃げ惑う村の連中、そして必死で逃げろと叫ぶAの姿があった。
「子供たちのいる居住区が…!」
「あ゙ー…狙いはあっちかよ…!」
「僕の右腕、ほむらクンです。脳が溶けている他の男共と違ってすごくちゃんとしてくれますよ、彼女」
火を投げるほむらを止めようとAが飛び出し、一度捕らえるも腕を打たれ、ほむらの拘束が解ける。
コクヨウやコハクも止めようとするが、ほむらは軽々と避け氷月と合流すれば、司軍は一旦退いていった。
「千空ー!Aが全員科学倉庫に逃げろって!
向こうの狙いは人質を取ることだろうから村人死守しろって!」
「!あぁ…そうかよ」
…相変わらず頭の回転が速いこった。咄嗟の判断が的確すぎて言うこともねえ。
「…クロム、バトルチームと一緒に科学倉庫行っとけ、残りの奴らの誘導は俺がする」
「おぅ!頼んだ!」
橋を渡り逃げ遅れた奴らが居ないか探していれば、千空!と声がする。
「!A、お前その傷…!」
『ルリんとこの橋を焼かれた!ジャスパーとターコイズも向こう岸だ!急いで橋を作ってあげなきゃいけない!消火活動はこの風じゃ絶対無理だから全員科学倉庫に逃げてもらった!
とにかく村人守んないと人質を捕られたら確実にあなたが殺される!だから…』
「クロムから大方聞いてる」
肩に手を置き、落ち着け、と促せばグッと唇を噛み締めたA。
『…止められ、なかった…』
「…」
『わかってたのに…!私は…!』
「後悔も反省も今することじゃねえ。咄嗟にあんだけ判断してんだから十分だ。
それよか今は村人守ることに頭回しやがれ」
『…っ、うんっ…!』
科学倉庫に向かう途中、再び燃え上がる炎が見え、急いで動ける奴らを集めて水を汲み、消火を行っていれば、何かに気づいたA。
『…スイカが居ない』
「!」
「とと止めたんだよぅ!温泉地帯の山の方に行くって…」
『!…千空』
「あー…ち〜とな、嫌な予感がしないでもねえ」
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時