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「天体観測行くか」
千空にそう言われたのは、石神村が白い雪に覆われてきた頃だった。
――夕食を食べた後、皆が解散したタイミングで抜け出し、空が見える拓けた場所に出た。
こんなとこあったんだ、なんてぼんやりと千空の後ろをついていくと、削れた大きな岩が見えてくる。
「ん」
『ありがとう』
差し出された手を素直に取れば、寒くねえか、と呟くように言った千空。
大丈夫だよと毛布を見せれば、そうかと短く返事をし、彼は空を見上げた。
同じように私も空を見上げると満天の星が瞬き、降り注ぐように流れていた。
『ふたご座流星群…！だから今日誘ってくれたの？』
「まぁな」
好きだろ、お前。と空を見上げたまま言う千空に、ふふっ、と笑ってしまった。
…さり気なく覚えててくれてるの嬉しいんだよなあ…。
『…みんな誘えばよかったね、ほんとに綺麗だ』
「……」
『これなら沢山お願い事できるなぁ…ねえ、千空なら何を…――』
「A」
そう名を呼ばれ、やんわり手首を掴まれた。
…真面目な声色、表情…私しか誘ってないってことは、皆には言いづらい相談ごととかだろうか。
『…どうかした？私でよければ聞くよ』
「……あー、そうだな、お前にしか言えねえわ」
余程重要なことだろうか。科学のことならクロムにも言えるし、司のことならゲンにも聞かせてあげたいところだけど…と、少し身構えていれば、尖晶石の目がどこか輝いて見えた。
そして、
「…好きだ」
――一瞬、息をするのを忘れた。それくらい、驚いた。
今、千空、なんて、
「友達でも仲間としてでもねえ。女として、一人の人間として、A、お前が好きだ」
そう言った千空の手は少し、震えていた。
…そう、なんだ、知らなかった。いや、もしかしたら、知ろうとしてなかったかもしれない。
『…えと…とりあえず、あ、ありがとう…』
「返事になってねえ」
『えっ…いや、その…』
「……"イヤならハッキリ言ってください。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行ってください。私ひとりの力では、とても消すことができないのです"」
『〜〜〜っ、ねえ、どこで覚えたのそんな文句…』
「あ？好きな奴の好きなもん覚えて何が悪い」
ズバズバと切り込んでくる千空に、熱が顔に集まるのが自分でもわかった。
「返事聞くまで逃がさねえ」
そう言って彼はグッと手首を掴む手に力を入れた。
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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは！コメントありがとうございます！ 全部読んでくださってありがとうございます！！（ ; ; ）温かいお言葉凄くありがたいです！更新頑張ります！ (2021年1月17日 23時) (
レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2020年12月29日 21時
