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Z=111 ページ14

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千空たちが作り上げたギアは、回転運動をピストン運動に変えるものだった。今後の人手問題も考えて製鉄炉も動力化したらしい。

…そっちの作業も手伝いたかったな…腕は治ってるのに…。最近ちょっと仲間はずれにされてる気分だ。

自動となった製鉄炉を見て、もう鞴で空気を送らなくてもいいと知った村の人たちは、感涙しながら動力ばんざい!とハイタッチを交わしていた。



『ふふっ、相変わらずあなたは人を喜ばせるのが得意だね』

「他にマンパワー回すためだっつうの」

『……"多くの人々に幸せや喜びを与えること以上に、崇高で素晴らしいものはない。"

どんな理由でも"それ"は凄く尊いことだよ、千空。ラーメン然り、わたあめ然り…この製鉄炉だって。

あなたの"カガク"は他人をこんなにも楽しませて、幸せにする力がある』

「ククク、おありがてえご高説だわ」

『事実だよ』



赤い尖晶石の目を捉え、そう言えば、そうかよ、と私の頭をくしゃりと撫でた千空。



『ね、次は何作るの?』

「電球」

『!そっか…』



噛み締めるように言ったのが気になったのか、なんだ?と尋ねられた。



『本格的な夏前くらいか…発電所作った時に光らせたでしょう?

――あの時は、こんなにも人は居なかった』

「……」

『まさに山溜穿石。ほんと、凄いよ』



それぞれの場所で何かしらの作業に取り組んでいる村の人たちを見てそう呟くと、隣から視線を感じたため、顔を上げれば今度は私が目を捉えられた。



「…その地道な努力が出来たのは少なからずA、お前が居たからだな」

『私?』

「…あー…もうちょい自己肯定感上げるこった、文学者様」

『…上げたつもりなんだけどなあ、硫酸採取の時に』

「ククク、所詮つもりなんだろ。

俺は"先"に行くぞ」

『!……やっぱりあの時の会話聞いてたな』



ドスドスと横腹を突いてやればやめろ、とデコピンを喰らわされた。



* * *



「あれで付き合ってないのだな…」

「みたいだね〜」



自分の距離感バグってることに気づいてないな〜、Aちゃん。

千空ちゃんは敢えて寄ってってるって感じだけど。



「見てるこっちがもどかしいが…Aが如何せん鈍感すぎる」

「ほんとに。でも、それだけじゃないっぽいけどね」



そう言えば、コハクちゃんも何か知っているのか、目を伏せ小さく息を吐いた。



「……難しいものだな、恋愛というものは」

「まあ、こんなに拗れてるのも逆にレアだよね」

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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時

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