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鬼工作とまではいかないが、簡単でもないバッテリー作りに千空たちが励む中、私は途中で青空教室――基、巻線作りに戻っていた。

…まだ腕の心配されてんのかな。もう大丈夫なんだけどな。



「Aー!今日はどんなお話するんだよ?最近お話なくて寂しかったんだよー!」

「私お姫さまのお話がいい!」

「俺は桃太郎!」

「桃太郎は巫女さまから聞けるでしょ!」

「Aの桃太郎もおもしれえんだよ!」

『はは…そうだなあ…』



話した内容と言えば、3700年前の私たちの生活が主で、偶に簡単な科学の話や算数、童話なども話していた。

その中で、グリム童話のお姫さまシリーズ(結末改変)は、男の子たちのウケが良くないので気は進まないのだが、女の子たちはすっかりハマったらしい。

…子供たちの期待の眼差しが凄い…。どうしようかな…。



『…じゃあ、今日は…』



* * *



「千空ちゃ〜ん」

「ゲン、テメーサボってどこ行ってやがった」

「サボりじゃなくて息抜きだよ。千空ちゃんも見てきなよ、音楽会」

「あぁ?」



ゲンが指さす方は、Aが青空教室を開きながら巻線を作っているはずだ。

…あいつのことだ、作業を止めるようなことはしねえと思ってたが…。

仕方ないとバッテリー作りを一旦止め、様子を見に行けばギャラリーが出来ていた。そしてその奥から微かに聞こえる歌声。



「(A…だけじゃねえな。全員か…?)」

「ハ!やっときたのか千空」

「コハク…何事だこりゃ」

「私が来た時からこうだった。とにかく凄いぞ!」



人を掻き分け前に進めば、Aはこちらに背を向け、手拍子をしながら歌っていた。巻線作りをしていた奴らも同じように。

…なんつったか…クラップアンサンブルだったか。曲は子供向けアニメのやつだな。

Aの表情が見える位置に動けば、楽しそうに手を鳴らし、歌を歌うそいつ。



「(変わんねえな、音楽してる時の顔は)」



ピアノを弾いてる時も、ギターを弾いてる時も、オカリナを鳴らす時も、そいつは何一つ変わらない。

音を紡ぐことが好きで堪らなく愛おしいと、そう物語るような――。



「(あー…めんどくせえ。嫉妬か、これ。音楽に嫉妬とか意味不明すぎるな)」

『うわっ、なにこれ!?』



振り返ったそいつがギャラリーを見て驚く。

その顔を見て、俺は口角を上げた。



「ククク、A先生、今日の授業は音楽か?」

『げっ、やばいみんな!作業に戻れー!』

「もう遅えわ」

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たくあん(プロフ) - 八つ橋さん» こんばんは!コメントありがとうございます! 全部読んでくださってありがとうございます!!( ; ; )温かいお言葉凄くありがたいです!更新頑張ります! (2021年1月17日 23時) (レス) id: f926544a9e (このIDを非表示/違反報告)
八つ橋 - こんばんは、夢小説面白かったです、全部見ました、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2020年12月29日 21時

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