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第183話 ページ6

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「使え!」

『炭治郎!!』

「!時透くん!A!」



炭治郎は私たちに気づくと、よかったと言わんばかりに安堵の表情を浮かべていた。



「炭治郎!それを使え!!」

「ふざけるな殺すぞ使うな!」

『鋼鐵塚さん!いい加減に大人しくして下さい!』

「第1段階までしか研いでないんだ!返せ!」

「夜明けが近い!逃げられるぞ!」

「クソガキ!」

「いたいっ!」

『こら鋼鐵塚さん!!!!』



バシィン!と乾いた音が響き渡り、我に返った。



『(勢いでやってしまった…!)』

「だ、大丈夫ですよ!もうこの人は暫く寝かせましょう!」

『す、すみません…』



鉄穴森さんと鋼鐵塚さんを陰の方へ寝かし、崖から状況を見下ろせば、炭治郎が鬼の頸斬るのが見えた。

…が、



『!?(なんで?!どうして頸を斬ったのに動いてるの!?)』



…まずい、あのままじゃまだ近くにいる里の人達が危ない…!



「!?神凪殿!」

『離して鉄穴森さん!今行かなきゃ里の人達が…!』



立ち上がり、崖から降りようとした瞬間、全身の力が抜ける。

そして、倒れそうになった身体を支えてくれた鉄穴森さんが、ひっ、と声を上げた。



「か、神凪殿!血が!」

『わ、かってます…!でも…!』



…炭治郎も決断出来てない…!日陰のない場所にいる禰豆子ちゃん、未だ動く鬼、あの場で動けるのは自分だけ…。

誰も死なせたくないから、全てを天秤にかけて決断出来ず迷ってるんだ。



『炭治郎!待ってて!そっちに行くから!』

「!A!」



鉄穴森さんを振り切り、降りようとした時、禰豆子ちゃんが、ううー!と私に向かって叫ぶ。

すると、ドカッと炭治郎を蹴り上げた。



『!!ねずこちゃ…』



陽に晒され、死ぬ程苦しいであろうあの状態で、彼女は笑っていた。



『禰豆子ちゃん!!!!』



ジュゥウウと身体から煙が上がり、禰豆子ちゃん肌が灼けていくのが見える。

…ああ、待って、やめて、彼女を連れてかないで、神様、お願い、ねえ、



『(くそ、くそ…!何ですぐ傍に行ってやれない…肝心な時に私は…!)

…!〜〜〜ッ!』

「A!」



全身の痛みに耐えながら、顔を上げれば、目の前の光景に、思わず息を呑んだ。

どうして、何がどうなって?疑問ばかり浮かび上がるも、目に移る"それ"は確かな事実で、



『禰豆子ちゃんが…生きてる…?』



朝日が登る小さな丘の上で起きた"奇跡"。

炭治郎は禰豆子ちゃんをギュッと抱きしめると、声を上げて泣いていた。

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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます!貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(;;)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです!こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった。ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした! (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした!笑 嬉しい限りです!!(*^^*)ありがとうございました!! (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます! 感動していただけてよかったです!!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!閲覧していただきありがとうございました! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年11月5日 23時

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