【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 伍

第208話 ページ32

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「へえ、まだ立ち上がるの？凄いね」

『氷の呼吸 漆ノ型 氷瀑!!』

「…氷の呼吸 肆ノ型 氷肌玉骨」



玄硪に技を出すも、殆どが師範に阻止され、その上2人から攻撃される。



『(クッソ…！厄介すぎる…！)』



ガキィン！と師範の刀を受け止めた瞬間、

ビキッ…



『〜〜〜ッ！(もう、壊死して…!!)

！がはっ！』

「痣はまだ出さない？それとも鬼になる気になった？」

『なる、わけ…』

「ふーん、残念」

『あﾞあﾞ!!』



壊死しだした傷口を踏まれ、痛みで遠のきそうだった意識が戻る。



「ねえ、もう諦めなよ。出来たら五体満足のまま鬼にしてあげたいんだけど？」

『…の割に、無理無理血を飲ませたりはしないんだ？』

「そりゃあ…俺は嫌なことをするのが好きだからね。開き直られても面白くないし？」

『ハッ…』

「それよりさあ、随分余裕そうだけどいいの？俺と喋ってて」

『！』



倒れているところに、刀を構えて近づいてくる師範。



「ふふっ、俺が手を出すまでもないかもねえ」

「…氷の呼吸 弐ノ型…」

『っ、師範!!!!』



技を出す前に懐に突っ込めば、一瞬怯んだ師範。

振り下ろされる刀も咄嗟に弾き返せば、グッと力を込められる。

…このまま同じことを繰り返しても駄目だ。負けるな、屈するな、玄硪が余裕こいてる間に…！

スゥ…と大きく息を吸い、私は言葉を紡ぐ。



『こんっの、ボケェーーッ!!』

「「!?」」

『何鬼にされてんだクソジジイ！

あんた今何してるかわかってる!?大事な可愛い可愛い娘を傷つけてんだよ!!』

「ふっ、あははは！」

『目ェ覚ませ！この野郎！』

「あー、ほんとに面白いね君。でも無駄だよ、君の声は届かない」

『ーーっ！』



そう言われ、ぷつりと糸が切れたように溢れ出てきた涙。

…わかってる。知ってるよ。声が届かないことなんて。わかってる、言われなくてもそんなの、わかってる。…けど、



『(悔しいんだよ…!!こんなクズみたいな鬼に師範が負けたなんて、思いたくないんだよ…!!)』



…せめて、なんか反応しろ…師範…！



『師範!!返事しろ!!』

「無駄って言ってるでしょ」

『(くそ、くそ…！)』



背後から近づいてくる気配。私も師範も身動きは取れない。

このまま、斬られる――。

そう覚悟した。

…が、



『(…痛く、ない…？)』

「…あれ、おかしいな。そんな命令(･････)してないけど」

「……」

『…し、はん…？』

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