第207話 ページ31
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『(目の上、掠った…!)』
顔を逸らして避けるも、瞼の上を掠り血が頬を伝う。
…師範もだけど、アイツも相当厄介だ。何の血鬼術かわからないし、先手を打ちたかったけど、もう後手に回った…!
しかも、
『(全然冷静じゃなかったから気づかなかった…あいつの目、よく見れば…玄…?朱焰や青芭、白漓と同じ、無惨のお気に入りか…?)』
「何か考え事?」
『ぐっ…!』
「集中しないと、死んじゃうよ、君」
「いっ!ああ゙ッ!」
腹部を貫く細い刃。刺されたかと思えば、すぐ引き抜かれ傷口を思い切り蹴られた。
がはっ、と血を吐きそのまま転がれば、背筋が凍るほどの殺気。
…ヤバい。
『(血が、止められない…動け、身体…)』
ちぐはぐな思考と、力が入らない身体。そして近づいてくる鬼。
…くそ、やっぱり…!
『(痣を…!)』
「ああ、痣出すの?いいよ、待っててあげる」
『…』
「ああ…いいよその目!いいねえ!凄く好きだよ」
『…るせ…』
「あっは、この状況でまだ強気でいられるなんて、凄いねほんと」
鬼は嘲笑うようににこりと微笑むと、目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「冥土の土産にいい事を教えてあげよう。あ、俺
『…はぁ…はぁ』
「止まれ」
『…?』
「……」
玄硪はそう言うと、ピタリと師範の動きが止まった。
「俺の血鬼術だよ。あの刃を受けたら傷口から壊死していく。あとは、あの方の血が濃い俺の血を呑んで適合すれば、徐々に鬼化して俺の言う事を聞く鬼となる。勿論後々あの方の血を直接分けてもらうけどね。
…さて、君はどっちがいいかな」
因みに、君のお師匠さんは後者だよ、無理矢理飲ませた。と師範を見て、ふふっと笑った玄硪。
「俺ね、他人の嫌がることをするのが好きなんだけどさ」
『死ね、クズ』
「ちょっと、茶々入れないで」
『うぐぅっ…!ゲホッ!』
傷口を蹴られたかと思えばそのまま踏まれ、止めていた血が流れていく。
…マズイ…ただでさえ血足りてないのに…。
「あぁ、失血死する前に話さないとね」
『…』
「君のお師匠の最期」
『だ、まれ…』
「衰えがあってもさすが元柱だよね。一瞬、頚取られそうになったけど、彼の刃が届く前に
『だまれ…!』
「そのまま苦しんで死んだ方が楽だったのにねえ。まさか、鬼になって君を殺すことになるなんて…」
『黙れって言ってんだろ!!!!』
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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます!貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(;;)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです!こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった。ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした! (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした!笑 嬉しい限りです!!(*^^*)ありがとうございました!! (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます! 感動していただけてよかったです!!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!閲覧していただきありがとうございました! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年11月5日 23時