第200話 ページ24
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薄らと気づいてはいた。
自分ではない誰かの手を借りて元に戻ったことを。お館様も伏せていたから、敢えて聞きはしなかったけれど、
「…Aを治して下さったのは、珠世さんだったんですね」
「…！」
お館様の紹介で、鬼でありながら鬼舞辻無惨を倒そうと薬の調合を行っている珠世さんと知り合った。(愈史郎さんも)
都合が良い日は成る可く彼女の元へ訪れ、互いに鬼を倒すために研究を進めているのだ。
今日はその彼女と共に薬の調合を行う日。作業の途中で確信を持ったように言えば、珠世さんの手が止まった。
「…やはり、お気づきになりましたか」
「ええ…」
「……」
「…愈史郎、少し彼女と2人にさせて下さい」
「！この鬼狩りと珠世様を2人きりになどさせて…！」
「愈史郎」
珠世さんが圧を掛けると、珠世様に手出しすればお前を殺す。と物騒な言葉を吐き捨て部屋を出ていく愈史郎さん。
「申し訳ございません」
「いいえ。慣れましたので」
「根は優しい子なんです」
「…そんな気はします」
互いに向き合うように椅子に座れば、珠世さんはぽつぽつと言葉を紡いでいく。
Aと出会った日のことを、事細かに。
「…鬼の気配はしていました。ですが、彼女が腰に携えていたのは日輪刀でした」
「……」
「鬼舞辻の手先でないと確信しましたので、屋敷で詳しく話を聞けば何も記憶がない、先程目が覚めたばかりだと」
それから彼女の血を貰い、研究を進めつつ互いに様々な情報を共有し、ようやく人間に戻ることが出来た、と。
「…Aさんには、伏せるように言われていたのですが、流石にお気づきになりますよね」
「まぁ…」
「…ここへ来た時は、よく貴女のお話をしてましたよ」
「！」
"『ずっと私の為に薬を研究して下さってたのに、結局違う方に力を借りる形になりました。すみません』"
「(…あの時…)」
「とても慕われているのですね」
「…！」
「彼女や、他の皆様も為にも…あまり死に急がないようになさってください」
「…はい」
珠世さんもわかっている。私の身体中に藤の花の毒が巡っていることを。
わかっていても、そう言うのだ。
「(ああ…揺らいでしまいそう…)」
一度決めたことは、決して曲げたくない。最後まで、私は私の戦い方で、生き抜くんだ。
もう私は身も心も穢れてしまった。繋いでいくんだ、純真な
「(必ずやり遂げる、絶対にあの鬼を…――)」
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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます！貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(；；)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです！こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (
レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった｡ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした！ (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます！1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした！笑 嬉しい限りです！！（*＾＾*）ありがとうございました！！ (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑､､､待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます！ 感動していただけてよかったです！！（*＾＾*）めちゃくちゃ嬉しいです！閲覧していただきありがとうございました！ (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2019年11月5日 23時
