第196話 ページ19
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ご飯も甘味もしっかり食べ、少し散歩でもしようか、と歩いていれば、何気なく通った蕎麦屋で義勇さんと炭治郎が何故か高速で蕎麦を啜っていた。
『……義勇さん、なんか雰囲気変わりましたね』
「ああ!何だか戸惑っているようだな!」
『あ、えと、そうなんですけど、そうじゃないと言いますか…』
…うーん、なんか吹っ切れた感じがすると言うか…。スッキリしたような感じがするんだよなあ。
「…ふむ、俺にはわからないが…君のよく言う"雰囲気"を見れば今までと違うんだな」
『はい。何だか、今まで掛かっていた靄がなくなったと言うか…何か明確な目的を見つけて、吹っ切れたような気がします』
「そうか!それはよかった」
『はい。…柱稽古、参加してくださいますかね』
「竈門少年が何か1枚噛んだなら、大丈夫じゃないのか?」
そう言って、2人の後ろ姿を見つめながら、優しく柔らかく微笑んだ煉獄さん。
『ですね!』
「…これで胡蝶も参加してくれればいいんだがな」
『……』
「何も聞いてないか?」
『…聞いてないです。私は参加しませんの一点張りで』
あの柱合会議の後、1人悲鳴嶼さんの元へ向かったしのぶさん。
蝶屋敷で話を聞こうとすれば、諸事情で私は参加しません。としか答えてくれなかったのだ。
『(でも、それを言った時のしのぶさん…凄く哀しそうだった…)』
「…心配だな」
『はい…』
「…土産でも買って帰るか!」
『!…ありがとうございます』
蝶屋敷の皆へのお土産も買い、日が沈み始めた頃、ちょっと来てくれと煉獄さんについていけば、
『……すごい…』
「だろう?」
どこまでも続く青い海に映る夕日は、爛々とオレンジの陽を放ちながらゆっくりと水平線に沈んでいく。
『…何だか、煉獄さんみたい』
「ん?俺か?」
『夕日があまりに輝いてて眩しくて』
「…なら海はAだな!」
『え?』
「俺は君を好いている。それこそ、この海の深さと同じくらい、な」
でもこんな言葉、俺には似合わないな、と笑って海を見つめる煉獄さん。
…ねえ、煉獄さん。少し頬が赤いのは、夕日に照らされているから?それともそんな事言うのが恥ずかしかった?
どっちにしろ、
『(可愛い……)』
「!」
ふわっと、無意識に頭を撫でていたみたいで、A?と名前を呼ばれ、ハッとした。
『す、すみません!私、なにして…――』
ぎゅっ…
「…A、好きだ」
『…!
れん、ごくさん…私…』
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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます!貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(;;)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです!こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった。ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした! (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした!笑 嬉しい限りです!!(*^^*)ありがとうございました!! (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます! 感動していただけてよかったです!!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!閲覧していただきありがとうございました! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年11月5日 23時