第191話 ページ14
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――守れない約束は、しない方がいいのだろうか?
それでも、そうして縛っておかなければ、本当に死んでしまいそうで。
『(…結局、長生きは出来ないってことだな…)』
…まあそれは今更どうだっていい。そもそも20歳まで生きられるかすらわからなかったのだ。
あの男が20歳で死んだように、私も"そこ"が本当に終わりだったのかもしれない。
だから、逆に余命が延びたみたいで少し嬉しくなった。
『(まぁだからって20歳以上生きれるかもわかんないけど…)』
と、そんなことをぼんやりと考えつつ刀を携える。
『…よし』
―――――
悲鳴嶼さんの提案により"柱稽古"という特別な訓練が始まった。
柱より下の階級の者達が、順に柱の元で直接稽古をつけてもらうのだ。
禰豆子ちゃんが太陽を克服して以来、鬼の出現がピタリと止み、嵐の前の静けさのような状況でもあったが、これを機に鬼殺隊全体で力をつけようとのことで。
…無論、私にもその役目は課せられる。
『皆さんお疲れ様です。宇髄さん、甘露寺さん、時透さんの訓練後…ですよね?』
「「はい…」」
『(ん゙ん゙…みんな瀕死…まあ仕方ないか…)』
…時間は有限、合理的に物事を進めなければ。
なんて、ちょっと言葉を借りつつ、とりあえず!と手を叩けば、皆の肩がビクリと跳ねた。
『身も心もボロボロだと思いますので休息しましょう』
「「え?」」
『万全でなければ質の良い訓練は出来ないですから。勿論、回復したら手は抜きませんけどね』
と、やってくる隊員達には休息を与え、回復してから私の訓練が始まる。
で、私の訓練というのが、
『もっと熱を上げて、集中して、全身への血の巡りを速く。じゃなきゃ私から1本取れないです』
全集中常中…のレベルまで持っていけたらいいんだけど、まあ簡単にそこまでいける訳もなく。
しかも、呼吸の基本自体ギリギリの隊員が山ほどいるし、習得したところで使いこなせてない人も多い。
…難しいもんなんだなあ、人に教えるのって。
木刀で複数の隊員と打ち合いをしつつ、修正点を上げていき、交代で相手をしていく。
『(まあでも自分自身の訓練にもなるし、一石二鳥だな…継子探すのアリかも…)
…皆さん、今日は終わりにしましょう。この後は自主的に稽古を続けるも良し、身体を休めるも良し。ただ、一つ言えるのは血反吐を吐く努力しなければ強くなれませんので』
なんて、遠回しに釘を刺しつつ、その日の稽古は終わった。
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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます!貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(;;)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです!こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった。ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした! (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした!笑 嬉しい限りです!!(*^^*)ありがとうございました!! (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます! 感動していただけてよかったです!!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!閲覧していただきありがとうございました! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年11月5日 23時