第180話 ページ2
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ガキィン!
『くっ…』
「余所見する余裕があったんだな!舐めやがって…」
『(徐々に再生してきてる…)』
刃を弾き、一旦距離を取れば、とりあえず頸と腕は繋げた白漓。
「もう手加減しないからな。半殺しであの方の元へ差し出してやる…!」
『誰が大人しく差し出されるかっての…』
フゥゥ…と大きく息を吐き、息を整える。
…姉さんのお陰で落ち着いた。視野が広くなった感じがする。
このまま集中しろ、一瞬でも気を抜けば殺られる。自分の出血量、体力、集中力…諸々考慮してもあと持って数分だ。
『(頭がクリアな間に、
…シィィィ……』
「(また集中力を取り戻したか…厄介だ…)」
私は刀を構えたまま、白漓は刃を構えたまま、お互い睨み合う。
そして、
ドォォォン!
「ハッ…もうボロボロだな」
『お前こそ、バラバラのままでしょ』
「減らず口を…鬼になれば楽だぞ?」
『…楽じゃないからやめたんでしょうが。
氷の呼吸 捌ノ型 氷華』
「血鬼術
バァァン!と技がぶつかれば、土煙が上がり、周囲が見えなくなる。
…が、
ガキィィン!
『(いくら視界が悪いからって、見えないことない。放たれる殺気を辿れば居場所はすぐわかる)』
「(コイツ…!)」
技で攻めていけば、白漓は防戦一方になっていった。
『氷の呼吸 参ノ型 氷釈』
「‼」
攻撃で胴体を斬り、蹴りを入れればバランスが取れなくなった白漓は倒れる。
ゆっくりと近づき、私は刀を向けた。
『"最期に言い残す言葉は?"』
「…性悪」
『ありがとう』
「…ハンッ、生意気な…。…そうだ、あと一つ。このままだとどうせお前も死ぬぞ。その様子じゃわからないのだろうが、かなりの出血量だ。
失血死したくなけりゃ、玉壺に頼むことだな」
『…ご親切にどーも。
氷の呼吸 肆ノ型 氷肌玉骨』
スパァン!と頸を撥ねれば、少しずつ崩れゆく白漓の身体。
…自分でもおかしいと思うのに、何故…。
『(哀しんでしまうんだろう…)』
「……変な女だな。俺が死んで清清しろよ」
『したいのは山々だけどね。哀れんであげてんだから感謝して』
「余計なお世話だ」
『………今度は、もっと何もない世界に生まれ変われたらいいね』
「……」
手を合わせそう言えば、返事をすることなく、白漓は塵となり、消えていった。
『…終わっ、た………』
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たくあん(プロフ) - なな号さん» コメントありがとうございます!貴重なお休みを使って読んでいただいて嬉しい限りです(;;)完結して数年してからもそう言っていただけてありがたいです!こちらこそ嬉しいコメントをいただきありがとうございます(*ˊ ˋ*) (10月31日 22時) (レス) id: 909cf7c15b (このIDを非表示/違反報告)
なな号(プロフ) - すごいいい作品すぎて休日一日使って一気読みしてしまった。そして鬼滅にまたハマってしまった。ほんと素晴らしい作品ありがとうございます‼︎感動しまくりでした! (10月25日 0時) (レス) @page49 id: 98aa855e93 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!1年前に完結している作品にコメントいただけると思ってませんでした!笑 嬉しい限りです!!(*^^*)ありがとうございました!! (2021年10月2日 22時) (レス) id: 514b72b12d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年10月2日 18時) (レス) @page49 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ayaさん» コメントありがとうございます! 感動していただけてよかったです!!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!閲覧していただきありがとうございました! (2020年12月2日 12時) (レス) id: 5567af4702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年11月5日 23時