【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 肆

第141話 ページ8

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記憶が戻ったから制御が出来たのか、たまたま上手くいっただけなのか、確信は持てなかったけど多分きっと、前者だと思う。



『(記憶がない時の自分も、弱くはなかったけど、立ち回りが違う。あと、今の方が"しっくり"きてる)』

「チッ…！」



攻撃を受けつつ、距離を縮めて技を放ち、追い詰めていけば顔を歪める目の前の鬼。



「(鬼化に加えて技まで出してきやがる…これじゃまるで……！)」

『氷の呼吸 参ノ型 氷釈』

「！」



ドォォン!!!!



「クソがっ！」

『…数字がないのに随分としぶといのね』



切り落した手と足はすぐに再生し、鬼が私と距離を取る。



『(気持ちが悪いな…下弦でも上弦でもない…ただ強さは上弦とほぼ同格…。鬼舞辻の血が濃いのは確かだ…)』

「しゃあねぇな…」

『!!』



本能で間合いを取れば、元居た場所に刺さる大量の銛。

そしてその銛から香る独特の匂い。



『(この鬼の血鬼術の仕組みがわからん…一体何なの…)』

「向こうじゃ堕姫が暴れてる。俺がしくじったところで、お前はどうせやられるさ」

『("堕姫"…？蕨姫のことか…？)

…あっちはあっちで大丈夫。柱が1人向かってるしね』

「そうかい。なら、俺は時間稼ぎでもしようかね！」

『そんなのさせるわけないでしょ！』



技と技がぶつかり合い、土煙が舞い上がる。

何度も続く度に研ぎ澄まされていく感覚。

…あぁ、いける。このまま鬼の頸を取る。



『氷の呼吸 肆ノ型 氷肌玉骨』

「!!」



スパン！と頸を飛ばすと、ぼとりと落ちる鬼の頸。



「…やられた」

『……』

「……なんてな」

『…！』



ドドドド！と銛が降ってくる。刀で全て受け流そうとすれば、ガクンと足を掴まれた。



『(何で動けて…！)』

「自分で頸斬ったんだよ、不本意だがな！」

『チッ！』



1本だけ身体に刺さるとぐらりと視界が揺らぐ。



「毒だ。時期に全身に巡るさ」

『くそが…！』



呼吸で毒を遅らせようとすると、込み上げてくるのは鉄の味。



『ごふっ…』



思わず血を吐けば、頸を繋げた奴は楽しそうに笑った。



「即効性だぜ？」

『そうですか。ごほっ…』

「無茶すんな、死ぬぞ」

『…"お前は私を殺せない"』

「あ？」

『氷の呼吸 陸ノ型 花氷』



一瞬で刀を振り、鬼の方へ振り返れば、鬼は震えながらこちらを振り返る。



「(い、ま…なんだ…速すぎて…)」

『…今度こそ、さようなら』



カチン

と刀を鞘に収めれば、血飛沫を上げ鬼の頸が飛んだ。

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