第179話 ページ49
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頭に血が昇った。何も考えられなくて、ただ怒りに呑み込まれそうだった。
「俺は優しいからな」
『黙れ…』
「玉壺がトドメを刺す前さ」
『黙れ‼』
「"この世で妹に会いたかった"」
『ーーッ!』
「その様子じゃお前がその妹か?残念だな、もう奴は居ない」
『黙れって…言ってんだろ‼』
堪らず走り出し、正面から斬りかかる。
「一つ教えてやろう。冷静さを欠けた時点で、戦いに勝てることはない」
『!』
反射で避けたつもりだったが、肩を深く斬られ、ドクドクと血が流れる感覚に、力が抜けた。
「さあ、これで終わりーー」
『…お前がな』
「!(頬から首筋に掛けて流れるような白藍の痣…⁈
何だ…鬼のソレと似た……)」
ズッ…
「…?(顔を…斬られた…⁉)」
『視界は如何かな、白漓』
「この、女ァ…!」
『動かない方がいい、身体が崩れるよ』
「は?」
一歩踏み出せば、ブシュッ!と斬れていく白漓の手と足。
「(今の一瞬で…斬ったってのか…⁉)」
『お前は絶対許さない。勿論玉壺も…』
「チッ…この…!」
と、技を出そうとするも、手を翳せば、ぼとりと落ちる手。
再生させようとするが、それすらも間に合わないくらいどんどん斬れていく白漓の身体。
「くそ…クソォ!」
『
「っ!」
身体がバラバラになり、手、腕、足、それと胴体を二つに分けるように落ちていく。
「随分とバラバラにしてくれたな…!舐めやがって…!」
『悪いけど、お前を気持ちよく死なせるわけにはいかないの』
「!ガァッ!」
『苦しんで、死ね』
刀を振り切らず、ゆっくりと頸を斬っていく。
『許さない…人の命を何も思わないお前たちを…』
「ハッ……」
『大事なものを奪い、気持ちを踏み躙るお前たちを…私は…!』
「"もういい。やめて"」
『!』
ピタリ、と手が止まる。
…どうして、なんで、
『…"姉さん"…?』
「"憎しみに捉われないで。自分を見失っちゃだめ"」
『でも…まさか、だって!こんな形で、姉さんに会うなんてさあ…!』
「"関係ない。そりゃ生きてる間に会いたかったけどさ、仕方ないよ。そういう運命だったんだ"」
『姉さん…!』
「"いいよ、私のために怒ってくれただけで。でも、もう落ち着いて。冷静になって、きちんと向き合って戦って、Aは…生き延びて」
『姉さん!』
「余裕だなオイ!」
『!』
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時