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第177話 ページ47

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――死に直面した時、人は走馬灯を見るらしい。

過去の記憶の中から、今までの経験を思い出してどうにかしてその死から免れようと見るそうだ。

…だけど、僕には記憶が、



「"無一郎…"」



「(……ああ、空気が無くなってきた…もうだめだ…)」



里長や刀鍛冶の人も、誰も救えてない。誰ももうこの現状を変えられない。

柱なのに、沢山の人間も、大事な人すら…Aの事すら庇うことも出来なかった。



「(A……)」



今度こそ守るって決めたのに、いつも、君は僕達を庇おうとする。自分よりも、僕達を優先して、いつも、誰よりも血を流して…。



『時透くん!』

「!」



どうして目の前に居るのか、理解が出来なかった。

君も怪我をしてる、僕なんて構ってないで、早く逃げて、他の所に行って、僕よりも…。

と、その時彼女の背後からゆらりと見える影。



「(あの鬼…!)」



こちらへと技を出す鬼。Aは、後ろに居る僕を庇うような動きで、反撃をした。それでも、色んなところから出血していた。



「"どうか…弟だけは…助けてください…"」



「(今…Aが…誰かと重なった…)」

『時透くんっ…!』



名前を呼ばれ、顔を上げれば、水越しに触れられる唇。

ごぼっ…!



「霞の呼吸 弐ノ型 八重霞」



バシャア!!と水から出て、酸素を取り入れるように呼吸をしていれば、Aに手を引かれ木陰へと移動した。



「A…」



どうして、と言う前に、毒か何か?と尋ねられ、針を抜きながら、身体が痺れる。と言えば薬を渡された。

そして、再び闘おうとする彼女の背中を見て、絶句した。



「(斬り裂かれた背中、浅い傷の上にまた別の傷、止血出来てない…)」



ふつふつと込み上げてくる感情。腕から滴る血が落ちれば、彼女も膝を着いた。

――その瞬間に、頭に流れる、昔の自分の記憶。

…思い出した、11歳の時に(・・・・・)1人になった、僕は双子で…。

ああ、全部、思い出した――。



「A!」

『大丈夫。ちょっとふらついただけ、平気』

「A」

『いけるよ、私は大丈夫だから』

「A…!」

『呼吸を使えば…ごほっ…』



口から血を吐いた彼女。そしてその瞬間に感じる気配。急ぎで腕を引けば、Aのいた場所が斬れていた。

Aを抱きしめる力を強め、鬼に刃を向ける。



「(思い出した、兄さんに言われた)」



「"無一郎の"無"は…"無限"の"無"なんだ"」



「…俺は、お前を許さない」

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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時

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