第176話 ページ46
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『時透くん！』
「！」
名前を呼べば口をパクパクと動かす時透くん。
何言ってるのかはわからないけど、彼の事だ。きっと自分の事は放っておけって言ってるんだと思う。
…でも、
『(刃こぼれした刀…呼吸も使えない…このままじゃ…！)』
…外から斬ろうにも時透くんも巻き込んでしまえば元も子もない。どうすれば…。
その時、不意に感じる殺気。
『(白漓か！)』
「！」
振り返ろうとした瞬間、フワッと風が吹く。
「血鬼術 渦鎌」
『(まずい…！)
かはっ…！』
「ーーっ!!」
何とか躱し致命傷は避けたものの、あちこちを斬られ、どくどくと血が流れる感覚がする。
ふらつく身体が倒れないよう、1歩踏み出して踏ん張り、そのまま型に入る。
「(この女…！)」
『氷の呼吸 漆ノ型 氷瀑』
ドォォン！と地面を抉るように技を出し、わざと土煙を上げてすぐに時透くんが閉じ込められている水壺に触れる。
逆さまの時透くんが少しだけ顔を上げた時に、水壺に唇を当てた。
――それは咄嗟だった。無意識に、人工呼吸をするように、彼の唇に触れるように…。
『ふうっ…』
1回で沢山の空気を吹き込めば、ゴポゴポ！と音を立て時透くんが呼吸を使った。
バシャア!!
「ゲホッ！ゲホッ！ゴフッ…」
『時透くん！』
急いで彼の手を取り、木陰に身を潜める。
『(よかった、無理にでもこっちに来て…1対1の私と違って、鋼鐵塚さんや鉄穴森さんが居る時透くんの方が…)』
「A…」
『大丈夫…じゃないよね。その針、毒か何かかな』
「多分…身体が、痺れる…」
『わかった。効くかわかんないけど、とりあえず薬渡しておく』
ぽん、と彼の手に置き、刀を杖のようにして立ち上がれば、グラりと目の前が揺れる。
「A！」
『大丈夫。ちょっとふらついただけ、平気』
「A」
『いけるよ、私は大丈夫だから』
「A…！」
『呼吸を使えば…ごほっ…』
ドバッと血を吐いた時、時透くんが私の腕を引いた。
『！時透く「Aは今喋らないで」
「…俺は、お前を許さない」
『！』
「チッ…鬱陶しい…」
…白漓が来てたのか、それすら気づいて…。
『(ああ、興奮してるんだ、身体が。アドレナリンが出まくってる。感覚がおかしい)』
…早く、血の流れをいつものようにしないと…。
「さあ、ソイツを渡せ」
「はぁ？誰がお前みたいな糞に渡すか」
『(……ん？あれ？時透くんこんなキャラだっけ…？)』
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます！！(*´`*)嬉しいです！（ ; ; ）かなりの話数なのに！（ ; ; ）ありがとうございます！続編でも頑張ります！(*^^*) (2019年11月6日 12時) (
レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します！一気読みしちゃうくらい面白かったです！続きを楽しみに待っています＼(^o^)／ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます！！めっちゃ嬉しい（ ; ; ）楽しんで頂けてよかったです！更新頑張ります！(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです！！今日、1話から一気読みさせて頂きましたが！先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない！！笑 更新楽しみに待ってます！ (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます！(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです！！（ ; ; ）リクエストもありがとうございます！余裕が出てきたら書かせていただきますね！！(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たくあん | 作成日時：2019年8月9日 0時
