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第152話 ページ19

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何となく、その日は無性に彼女に会いたかった。

定期的に送られてくる鴉からの手紙。そこには、上弦の陸との戦いのことが書かれていた。



「A…」

『…煉獄さん』

「!」



ゆっくりと開いた襖。彼女は俺の姿を見れば、こちらに駆け、俺を抱きしめた。



「A?どうかしたか?」

『戻りました…』

「え…?」

『記憶、戻りました』



そう言って更に力を込めるA。



『ご心配おかけしました。全部覚えてます。"あの約束"も』

「!…そうか…」



俺も彼女に手を回せば、小さな背中が腕にすっぽりと埋まる。



「そうか…!よかった…!」

『ただいま、煉獄さん』

「おかえり、A」



ぽんぽん、と背中を撫でてやれば、耳元でふふっ、と小さく笑う彼女。



「?」

『すみません。私が記憶を失くして戻ってきた時とは逆だなあって』



そう言われ思い出すのはあの時の記憶。

…ああ、そう言えばあの時は俺が抱きしめて、彼女に背中を撫でられていたか…。



「…ふむ…記憶が戻って積極的になってくれたんだな!」

『い、いえ!そんなつもりでは…』



と、パッと離れる彼女。

それはそれで傷つくんだが…。とは言えず、頭を撫でてやれば、俺の左目にそっと触れるA。



『…この間の戦いで、宇髄さんを庇ったんです。左目、危なくて』

「……俺と重なったか?」



俯きながら語りかけるように話す彼女に耳を傾ける。



『…無傷、とまではいきませんでした。視力は落ちてるそうです』

「失わなかっただけいいだろう。それは宇髄も言うはずだ」

『左腕も守ってあげられなかった』

「それは仕方ない。君が自分を攻めることではない」

『……煉獄さんのことは…何一つ守れなかった』



最後にぽつりと呟いたその言葉。

俺は、彼女に重い罪を着せてしまった。そう感じるしかなかった。

ぽんぽんと頭を撫でていればまた言葉を紡ぐA。



『…記憶が戻ったら戻ったで、欲張りになったみたいです』

「…」

『どんなものからも、皆を守れる強さが欲しい』

「それはもう持っているだろう」

『!』



グイッと両頬を掴み顔を上げさせれば、涙目になり、口をキュッと閉じるA。



「俺や宇髄…"彼ら"の命も…ちゃんと守った君は…間違いなく強い」

『!れんごくさ…』

「Aは…よく頑張ったんだな」

『…っ』



そう言えば俺の胸で静かに泣く彼女。

…あぁ…



「(俺も早くこの手で彼女を守れるようにならなければ…)」

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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時

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