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第150話 ページ17

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――それは、夢だったか、見えていた(・・・・・)ものだったか、定かではない。

ぼんやりと遠くに見えたのは、小さな可愛いらしい女の子が、泣きじゃくりながら、お兄ちゃん!と叫んでいるところだった。

お兄ちゃんと呼ばれた少年は妹を引き離そうとするが、女の子が、嫌だ!と泣き喚き、駄々を捏ねるように少年に飛びついた。

すると、少年は諦めたのか、哀しそうに、でも少し嬉しそうに、しっかりと妹を掴み、暗闇へと歩いて行った――。



『ん…』

「Aちゃん!?」

「天元様!Aちゃんが目を覚ましました!」

「よかったわ…傷が痛む…?涙を流してる…」

『……』



滲む視界に映るのは須磨さん、まきをさん、雛鶴さんの姿。

そして…



「A!」

『…て、ん…げん…さん…』

「よかったぜ目ェ覚まして…毒は大丈夫か?悪かった、俺を庇わせ…――」

『よかった』



言葉の途中で首に腕を回し、天元さんを抱きしめた。



『目…みえて…ますか…』

「…あ、ああ…左目は辛うじて…」

『うで…ごめん…なさい……』

「!」

『守って…あげられ…』



と、今度はぽつぽつと喋る私の言葉を遮るように、私を抱き締める天元さん。



「少しは自分の心配しやがれ…」

『てんげんさん…』

「生きててよかった…A…」



ギュッと存在を確かめるように私を抱きしめる天元さんに応えるように、背中に手を回し、ぽんぽん、と弱々しく撫でてやれば、フッと笑う彼。



「俺はガキかよ…」

『ん…よしよし…』

「こら、やめろ」



と、やり取りをしていれば、徐々に意識もしっかり戻ってきた。すると、隠の人達がやってくる。



「ご無事ですか!音柱様!氷柱様!」

「あぁ」

『平気です。それより、炭治郎達を探して下さい。姿が見つからないの』

「畏まりました。ではお二人方は別の者に運んで…」

「俺はコイツらの肩借りて歩く。Aを頼む」

『私は大丈夫です。もう歩けます』



そう言って立ち上がれば、隠の人達から、ひえ…と引いた声が聞こえた。

…いや、私も声上げたいよ。なんで天元さん動けてんの。まじで怖いよ。



「そう言やァ、伊黒が来てたぞ」

『伊黒さんが?』

「あの人ネチネチ言うだけ言ってどっか行っちゃったんですよ!あんなに言うなら、もっと早く来てくださればよかったのに!」

「帰ったら鍛え直してやるってよ」

『えー…』



と、笑っていれば、天元さんが私の頭を撫でる。



「…A、おかえり」

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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時

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