第149話 ページ16
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「宇髄さん!A!」
『天元さん!』
「ああ!」
2人で血の刃を相殺すれば、天元さんはニヤリと口角を上げた。
「"譜面"が完成した!勝ちに行くぞォオ!!」
そう吼える天元さん。
天元さんの言う"譜面"とは、戦闘における独自の計算式のこと。敵の攻撃動作の律動を読み、音に変換する事で彼自身が敵に打撃を与える律動を生み出す。
"ソレ"がこの戦闘中、味方側にも理解出来れば万々歳だが、"普通の感覚"の人間に説明するのは難しい。
その上、今は天元さんには毒が回っている。尚更細かい指示は出せないだろう。
…ならば、
『(私が
…動きを読め。音ではなく、体感で。今までの戦闘を思い出せ。天元さんに息を合わせろ。そして、それを炭治郎へと。
『(繋いでけ…この戦いの希望を…!!)』
片腕で戦う天元さんのサポートをしつつ、鬼を徐々に追い詰めていれば天元さんへ飛んでいく血の刃。
『(左目…)』
そう思った瞬間、不意に思い出すのは左目に包帯をする煉獄さんの姿。
…ダメだ、守らなきゃ。
「!A!」
『…ッ!』
受け流しきれなかった攻撃が自分の左目を掠めると、瞼の上からドっと流れてくる血。
…ダメだ、集中しろ、息を合わせて、とにかく前を見ろ。
落ち着きながら刀を振るっていれば、ドスッ!と天元さんの腹に鎌が刺さる。
深く刺さる前に腕を飛ばし、身体にも1発入れれば、跳べ!と叫んだ天元さん。
律動を崩さないよう、牽制するように鬼へ斬りかかれば、視界の端に映る炭治郎の姿。
『炭治郎!』
ガツッ!と鎌が顎に刺さるも頸へと刀を振るう炭治郎。
再び腕を再生させようとする鬼を肩から斬れば、ガアアア!と叫ぶ炭治郎。
…その瞬間、自然と視界に入ったのは彼の額。
『(烈火の如く赤く染まる痣…それは、まるで…鬼…)』
思わず動きを止め、彼に見惚れた瞬間、
スパンッ…
『あ……』
月を背に2つの頸が宙を舞い、ぼとりと地に落ちる。
『終わっ、た…?』
ガクン、と膝をつき、崩れ行く鬼の姿を見た時、ギュル、と音がした。
『ヒュッ…』
そのひと音で理解する。
悲鳴を上げる脚を無理やり立たせ、動き出せば私と天元さんの声が重なる。
「『逃げろ/てーーーッ!』」
バッ!と勢いよく飛び出し、天元さんを庇うように抱きしめる。
「A…っ!」
掠れた声で名前を呼ばれた瞬間、爆発するように血の刃が飛び交った。
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時