第148話 ページ15
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ズレた顔を戻しつつ周囲を見渡すも、全員、建物の崩壊で倒れており、どこから攻撃が来たかすらわからない。
「(新手かぁ…?それにしては気配も何も…)
…!!」
ふと前を見た時、
真っ白な肌を強調するように紅を浴びて、月明かりに照らされながら、ただ凛と立っていた。
「オイオイ…お前…さっきくたばってただろ」
「なんで…この女ァ…!」
藤色の髪を揺らし、こちらに振り向くと、満足気に微笑み妖しく笑う。
「(完全に鬼になったってことかあ…?その方が厄介この上ねぇなあ…)
…人間だったら良かったのになあ…」
『…だまれ』
「!」
『シネ』
一瞬で目の前に来たかと思えば、勢いよく蹴りが飛んできた。
受けた瞬間に鎌を刺すも、ソイツは怯みもしない。
「(感覚が麻痺してやがる…)」
『…』
無言のまま、スっと指をさしたかと思えば、堕姫の元へ一瞬で移動したソイツ。
「!舐めんじゃ…」
『遅い』
「ぎゃあ!」
くっつけた頸が再び飛ばされれば、今度は身体へ攻撃を始めるソイツ。
「チッ…離れろよなああ…!!」
『…』
こちらを見向きもせず、俺の攻撃を防いだソイツは、再びぎゅっと拳を作った。
…その瞬間、
「ッ!(血鬼術…!)」
「ぎゃっ…痛い!!全身が…!!」
『…己の罪は己で償え…』
「!!」
…日輪刀…!まさか…!
『終わりだ、上弦の陸……』
と、ソイツが刀を振り上げた瞬間、ボタボタと口から溢れ出すのは赤い血。
『ゼェ…はァッ……』
「…ははっ…そりゃそうだよなああ…!てめぇも毒が回ってんだろ?」
『はァ…っぐ…!』
「1回死んでろ」
鎌を振りかざすも、ふらりと避けそのまま倒れたソイツ。
「チッ…手間かけさせやがって…覚えてろよなあ…」
* * *
起きなさい、A…。
……誰かの声がする…
早く刀を握るの。じゃないと皆が危ない。
…皆…?刀……?
今はその力を…鬼の力を借りて戦うのよ。
…鬼の力…。
忌々しくも恨めしいその力で…生きるために戦うの、A。
…ああ、温かくて優しい…誰…私の頭を撫でてるのは…
大丈夫。あなたなら…私の自慢の娘ですもの。父さんと、ちゃんと見守ってるから…お願い…目を覚まして…。
『!!』
バッ!と起き上がれば、全身に走る激痛と、込み上げる血の味。
そして、視界に入るのは炭治郎が血の刃に襲われているところだった。
ガキィィン!!
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時