第136話 ページ2
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「(なんか俺自分を見失ってた……)」
ぼーっと歩きながら改めてここ最近の己の行動を省みた。
いくらAちゃんが知らない男と話してるのを見るのが嫌だからって俺が花魁になってどうすんだよなあ。
…つーか、そもそも鬼の動向と雛鶴さんの居場所を捜しに潜入してんだもんな。
「(でもなぁどうしよ。ずっと聞き耳立ててんだけど雛鶴さんの情報ないぞ)」
…2日前に死んだのって楼主の奥さんかな。みんな暗いし口が重いな。
と、そこで耳を澄ませてみれば、ひっく、ぐすんぐすん…と聴こえた。
…ひっく、ぐすんぐすん…!?
「一大事だ、女の子が泣いてる」
泣き声の方へ行くと、めちゃくちゃに荒れた部屋と蹲り泣いてる禿の女の子が居た。
思わず、喧嘩!?大丈夫!?と大声で言ったからか、更にわっと泣き出す女の子。
「ごめん!ごめんね!君に怒ったわけじゃ…ないのよ!!ごめんね!何か困ってるなら……」
ドクッ…
と、その一音でわかった。
「アンタ、人の部屋で何してんの?」
鬼の音だ。今後ろに居るのは鬼だ。人間の音じゃない。
全身の震えと、冷や汗が止まらない。
…これ上…上弦の鬼じゃないの?音やばいんだけど、静かすぎで逆に怖いんだけど。
「オイ、耳が聞こえないのかい?」
そう言う鬼に、返事も出来ずにいれば、たまたま近くに居た禿の女の子が、一昨日入ったばかりだから…と庇ってくれるも、鬼の怒りが収まることはなかった。
「勝手に入ってすみません!部屋がめちゃくちゃだったしあの子が泣いていたので…」
「不細工だねお前、気色悪い…死んだ方がいいんじゃない?」
…えっ、そこまで言う…?
と、引いていれば、鬼は泣いてる女の子の耳を掴んで引っ張り上げた。
「ギャア!」
「五月蝿い!ギャアじゃないよ部屋を片付けな!!」
「ごめんなさいごめんなさい!!すぐやります許してください…!!」
ガッ!
「………何?」
「手、放して下さい」
そう言って睨み上げた時だった。
ドォン!!!!
「かはっ…」
…え、何、俺…今吹っ飛ばされた…?
咄嗟に受身は取ったものの、頭への衝撃が大きかったのか、意識が朦朧としてきた。
…ダメだ…これ…今騒ぎになったら…。
「(Aちゃん…頼むから…今は…来ないで…逃げてくれ……)」
そこで俺の意識は完全に落ちた。
* * *
『……善逸…?』
「ほらAちゃん、帯を締めるからじっとしてて」
『あ、はい…(気の所為…か…?)』
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時