第97話 ページ7
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「Aちゃんが見つかった!?」
「あ、あぁ…」
「じゃあ何でお前1人で帰ってきてんの!?Aちゃんは!?」
「喧嘩でもしてきたか!?」
「違うよ」
蝶屋敷へ戻り、善逸や伊之助にAの事を話せば、何でだ!!どうした!!という反応だった。
…言って、大丈夫なのだろうか、俺でさえ、だいぶキてるんだ。善逸や伊之助は…。
「……」
「…な、なぁ炭治郎…本当にどうしたんだ?」
「…落ち着いて聞いてくれ、善逸、伊之助」
「「?」」
「Aは元気そうだった。何故か新しい日輪刀を持っていたけど、鬼狩りをしていた」
「な、なんだ…そうなのか…だったら…」
「でも、記憶がなかった」
そう言うと、シン…と静まるその場。
「……は?」
「…なんだ、記憶がねえって…覚えてねえって事か?俺達の事も、他のヤツらの事も」
「………」
肯定も出来ずにいれば、ふるふると肩を震わせる伊之助。
「アイツ、本当にふざけてやがる!!なんだそれ!!!!」
「おい、伊之助…」
「……それだけじゃ、ないんだ…」
「まだ…あるのかよ…」
善逸も声を震わせ、恐る恐る尋ねる。
「…僅かだけど…Aから…鬼の匂いがした」
「「!」」
そう言うと、ガッ!と俺の胸倉を掴む善逸。
「…っ!」
「炭治郎!!お前なァっ!」
「わかるだろ、善逸…俺の言ってる事が、嘘か本当かなんて」
「…っ……嘘じゃ…ねーんだろ…」
「……」
悪い。と手を離すと、善逸は俯いたまま、俺は信じない。と呟いた。
「ちゃんと会って確認する」
「俺もアイツに会うまで納得はしねえ」
「…ああ」
* * *
「……」
立ち聞きなんて、するつもりなかった。
「(Aが記憶喪失…?鬼の匂いがした…?彼女から…?)」
…理解が追いつかない。どういうこと、生きているけど、鬼になってるってこと…?
「(と、とりあえず…師範に………)」
…言っても、いいのか?もし、本当に鬼だとしたら…?Aを殺すように伝令が来てしまったら?
「(わ、私…どうすれば…)」
立ち竦んでいれば、スっ…と襖が開く音がした。
「!カナヲ…?」
「…た、炭治郎…」
「…もしかして…聞いていたのか…?」
「……」
コクン、と返事をする代わりに頷けば、そうか…と言う炭治郎。
「…Aは理性のない鬼じゃないんだ。誰も襲ってなんていなかった。寧ろ、人間の俺を助けてくれたんだ」
「!」
「…Aは、今も鬼殺隊だよ」
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時