第96話 ページ6
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「"僅かながら、貴女から鬼の気配がします"」
『"は…いや…え…?"』
「"限りなく人間に近い鬼なのではないかと…"」
『"…なら、私はもう陽の下は歩けないのですか?"』
「"それは私もわかりません。ですが…人間に近いのであれば、塵になって消えたりはしないはずです"」
『(あの人も確信がないのに、陽に出ていいのだろうか…)』
…でも、出ても平気な気がする。
そう
思い切って踏み出して、陽へ出てみれば、一瞬くらっとするも、著しい異常はない。
『(…でも、やっぱりなんか身体は怠いな…)』
けど、日中も活動出来るなら丁度いい。放浪としながら、のんびり記憶を探そう。
日中はブラブラしながら、夜になれば、あの女の人――珠世さんのところに行く日々を少し続けていた頃、出会ったのは人間ではない何者か。
『(…鬼だ…あれは…多分、そう…)』
「若い女…しかも…稀血…!」
『(稀血…?)』
闘い方なんてわからない筈なのに、本能が、直感が私の身体を動かす。
そして、
『氷の呼吸 弐ノ型 垂氷』
スパァン!と頸を落とすと、消えていく鬼。
それを見て、ゾッとした。
…自分も、もしかすればああなってしまうのだろうか。
『(鬼を滅する鬼殺隊に鬼が居るなんてありえない話だ…彼らには会わないようにしないと…)』
消えた鬼に手を合わせ、私はすぐ様その場を後にした。
それから2日程経った時、花札の耳飾りの男の子に出会った。
「生きていたんだな…A…!」
名前を呼ばれ振り返れば、彼は泣きそうな声で私の手を握り、よかった。と繰り返す。
…腰に携える刀…あれ、日輪刀かな。そんな感じがする。なら、この子は…
『(鬼殺隊員だ…)』
あの!と声を上げれば、ごめん!と手を離す彼。
…多分、私の知り合いなんだろうけど…申し訳ない。今君と関わる訳にはいかない…。
『いえ!あの、それより、何か勘違いされてませんか?』
「……え?」
『誰かと私を間違えてるかと…』
「え…?い、や…何を、言って……」
『?初対面…ですよね?』
そう言うと、呆然とする彼。
急いでるので、ごめんなさい。と、その場を後にしようと通り過ぎれば、待って!と声を張るその子。
「俺は鬼殺隊・竈門炭治郎!!妹の禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊に入った!」
『!』
「今はAが生きてくれてるのがわかっただけで嬉しい!」
『……』
「俺は信じてる、戻ってきてくれる事を」
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時