第117話 ページ28
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『氷の呼吸 参ノ型 氷釈』
技を出すも、鬼はそれを避けこちらへ攻撃してくる。
『(この鬼以外にもまだ居る…やっぱり裏山だ…雰囲気が漂ってる…)』
「Aちゃん!危ない!」
『!』
潰れた建物から落ちてくる大きめの木片。私を押した善逸にそれが当たった。
「ぐへっ!」
『善逸!…ッ!!』
「馬鹿な子ねえ。"鬼"のコイツを庇うなんて」
『――っ』
「動揺した」
ニヤリと口角を上げる鬼の奥からキラリと光る何か。
…やばい、狙われてる。今のは刃の光だ。
『善逸!起きて!危ない!』
「隙は作っちゃいけないのよ」
『!』
髪で手足をガッチリ固定されると、矢がこちらに飛んできた。
『(くそっ、謀ったなこの野郎…!)』
…仕方ない…怪我しても、どうせ治るし。
と、諦めた時、
「Aちゃんに手ぇ出すな」
それは一瞬。まるで雷が落ちたみたいに現れたと思えば、スパン!と、髪も矢も斬れた。
『…ぜん、いつ…?』
「彼女を傷つける奴は許さない。二度と、彼女を殺させたりしない…!」
「はあ?ソイツ鬼だよ?」
「Aちゃんはお前らみたいな鬼なんかじゃない。人間の女の子だ」
『!』
…"人間の女の子"…そう思ってくれてるのか…彼は…。私のために、怒ってくれるのか…。
私の前に立つ善逸は、いつもと雰囲気が違っていた。
『(凄い…善逸…前より気迫が増してる気が……)』
…前より…?
チラつく記憶に、ズキズキと頭が痛み出した。いっ…と思わず声を漏らせば、ふわりと、頭を撫でられる感覚。
『善逸…?』
そう呼びかけるも反応はなく、彼は刀を構える。
「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 六連」
「(こいつ…!)」
凄まじい速さで技を放つと、鬼が表情を歪める。
「チッ…」
『!待て!』
山の方へ入ってく鬼を善逸と共に追おうと、入口付近まで行けば、ピタリと止まる足。
…何でだ、理由はわからない。でも、"危険"だと本能が、直感が言ってる。
『…善逸、ここで待ってて』
「!」
『炭治郎と一緒に来て欲しい。大丈夫。私は負けない。煉獄さんと約束したから』
「……まだ、煉獄さんとの"約束"守ってねえだろ」
『えっ?』
歩きだそうとした私の腕を強く引き、行かせまいと止める善逸。
『…?約束…さっきした…』
「違う。前にしてる約束だ。それを、Aちゃんは破ろうとした」
『…!』
「言ったよ俺は。二度と君を殺させたりしないって。だから、俺も行く」
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時