第93話 ページ3
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「カァ!伝令!伝令ィ!東ヘ向カエ!」
「ええっ!?」
任務が終わり、帰路についていた時、鎹鴉がやってきた。
「今帰ろうとしていたところだぞ!?」
「ツベコベ言ワズ!行ケェ!」
「いてて!わかった!わかった!」
鴉の案内についていけば、人が沢山行き交う街に辿り着いた。
「(未だに慣れないなぁ…人が沢山だ…)」
「不審者ァ!不審者ガ出ル!」
「それ鬼と関係あるのか?」
「ソレヲ調ベロ!」
…なんて投げやりな…。なんて言ったら怒られそうだから黙っておこう。
とりあえず街を歩きながら様子を伺う。
「(…至って普通の街だと思うんだが…特に鬼の匂いも、血の匂いもしない…)」
暫く歩き回るも、変わった事もなく平穏な時間が流れていた。
「…街の人に聞いてみるか……」
栄えた中心街から少し離れ、家屋が並ぶ方へと来るも、此方も何も無いように思える。
「(…不審者かぁ…何かあるなら噂の1つや2つ流れてそうなんだが…)」
と、キョロキョロとしていれば、おい。と久しぶりに聞く声。
「!ゆ、愈史郎さん!?」
「こんな所で何をしてる」
「実は任務で…」
「チッ…また拠点を移さなければ…」
「今はここを拠点にされてたんですか?」
そう尋ねると、ああ。と応えた愈史郎さん。
「定期的に場所は変えてるがな。お前が来たから即刻場所を変えることにしよう」
「なんか…すみません……」
じゃあな、炭治郎。と、踵を返す愈史郎さんを、待って下さい!と引き留めれば、鬼の形相で、なんだ…と返事をしてくれる。
「あ、いや…実は…今回鬼狩りでここに来た訳ではなくて…」
「…なら何の為に来た?」
「俺の鎹鴉によれば、不審者が出るとの事で…何か心当たりありませんか?変わった事とか、患者さんに変わった人が居たとか…」
「ハンッ…珠世様以外に興味はない!そんなもの俺が知る筈……」
と、そこでなにかを思い出した愈史郎さん。
「…変わった人…か…」
「!あるんですか!心当たりが!?」
「…お前と同じ歳くらいの女だ」
「…同じ歳…」
それを聞いただけなのに、ドクドクと鼓動が早くなる。
…いや、そんな、まさか…。
「よ、容姿や、何か特徴は…」
「…背は低く華奢で顔までは覚えてないが、藤色の髪だった」
「(あぁ…まさか…本当に……)」
「…俺でも反応するくらいの血の匂いだった、稀血の女だ」
「(A…生きていたのか…!!)」
「…あと…―――。」
「………え?」
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月花 - 善逸との絡み入れて欲しいです (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 大正コソコソ話!夢主は鬼殺隊に入り始めた頃任務がキツくて来世は隠に入ろっかなと思ったらしいよ (2020年1月23日 7時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 星廻さん» コメントありがとうございます!!(*´-`*) シンプル!笑 嬉しいです(*´`) (2019年10月19日 0時) (レス) id: 3900fac987 (このIDを非表示/違反報告)
星廻 - すきです! (2019年10月18日 23時) (レス) id: 345c689636 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 廻那さん» コメントありがとうございます!!更新頑張っていきます!(*^^*)ああああ、ご指摘ありがとうございます( ; ; )すみません( ; ; )すぐ訂正します( ; ; ) (2019年8月10日 1時) (レス) id: 81b06921bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年7月13日 18時