【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 弐

第83話 ページ41

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「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく、尊いのだ。

強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」



そう言うと、少年を侮辱するな。と言った煉獄さん。



『…思い出しなよ、猗窩座…人間だった頃の記憶…』

「…は？」



ポツリとそう言えば、何を言ってる。と顔を歪めた猗窩座。

…猗窩座は憎い。漫画を読んだ時すごく嫌いだった。

けど、人間だった頃の…本当の彼を知ってしまったら…。



『(憎めなくなったんだ…)』

「…君と俺達との価値基準は違う。俺は、如何なる理由があろうとも、鬼にならない」

「…そうか」



術式展開、と血鬼術を使おうとする猗窩座にグッと全身に力を入れる。



「鬼にならないなら殺す」



猗窩座のその言葉をキッカケに、私と煉獄さん、猗窩座の激しい攻防が始まる。

…が、



『(心臓が痛い、口の中血の味がする。息が出来ない、苦しい)』

「邪魔だ！」

『っ！』



ドォン！と一瞬の隙に蹴飛ばされ、飛ばされた衝撃で口から血を吐けば、A！と名を呼ばれる。

ハッとなりすぐ起き上がるも、ドクドクと胸を打つ心臓。

…あぁ、痛い。心臓、静まれ。全身に血と酸素を巡らせたいの。体温を上げろ、もっと、熱く、早く、



『はぁ…はぁっ…！』

「A！無茶するな！もう身体にガタがきてる！」

『っ、きてない！私は動ける！』

「A!!やめろ!!身体が…！」

『ダメです！煉獄さんを死なせるわけには…！――げほっ、ごほっ…！』



血を吐き片膝をついた時、チラリと見えた猗窩座の顔。



『(…なんで、そんな顔…してる……)』



一瞬、ほんの一瞬、猗窩座が人間の顔をした。

…まるで、私を通して大事な人を見つめるかのような――

そうだよ、思い出してよ、慶蔵さんや、恋雪さんのこと。

自分自身のことを。



「A！しっかりしろ！」

『げほっ！げほっ！』

「――、女は放っておけ、杏寿郎。でないとお前が死ぬ」

「『！』」



急いで猗窩座の攻撃を回避し、戦闘態勢を整える。

炭治郎もこちらに加勢しようと動くが、煉獄さんが、待機命令！と抑止させた。



「弱者に…女に構うな杏寿郎！全力を出せ！俺に集中しろ！」

『(させる、もんか…)』



…絶対に、変えてみせる。運命を、己の身を犠牲にしてでも、



『(彼を…死なせたりしない！)

氷の呼吸 捌ノ型 氷華！』

「炎の呼吸 伍ノ型 炎虎!!」

「破壊殺･乱式!!」

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