【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 弐

第82話 ページ40

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『(きた…！)』

「なんだ!?……っ!?(一瞬で向こうまで行きやがった…!!)」



タンッと軽く一蹴りし、炭治郎を殺そうとする猗窩座を止めようと攻撃を出せば、煉獄さんも攻撃体制に入っていた。



『氷の呼吸 参ノ型 氷釈』

「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天」



煉獄さんと片腕ずつ斬るも、すぐに元通りになる猗窩座の腕。



「いい刀だ…」

「なぜ手負いの者から狙うのか理解できない」

『おい、上弦！次はお前の頸を取る…！』



刃を奴に向けると、顔を歪める猗窩座。



「…邪魔だ。お前は関係ない」

『関係なくない。煉獄さんとは戦わせない』

「…A？」

『それに、私は鬼狩りだ』



ビリビリと殺気を放てば、ニヤリと口角を上げる猗窩座。



「…知っているさ。お前は惜しいな、女でなければよかったのにな」

『女だからなに？力で勝てなくても、それを補う技術と頭脳は持ってるつもりだけど』

「とにかく、お前は引っ込んでろ」



そう言って一気に距離を詰めてきた猗窩座。



『氷の呼吸 弐ノ型 垂氷』



技をぶつけるも、衝撃波で吹き飛ぶ身体。



『げほっ！げほっ！』

「A！…!!」

「女に構うな。話をしよう」



一定の距離を保ち、刀を構える煉獄さんと、余裕そうに構える猗窩座。



『煉獄さっ…げほっ！げほっ!!』

「君と俺が何の話をする？初対面だが俺は既に君のことが嫌いだ」

「そうか、俺も弱い人間が大嫌いだ。弱者を見ると虫酸が走る」

「俺と君とでは物ごとの価値基準が違うようだ」

「そうか。では素晴らしい提案をしよう。

お前も鬼にならないか？」

「ならない」



即答した煉獄さんから、ピリピリと感じられる殺気。

…私も…いや、私が加勢しなきゃ…！

起き上がり、ザッと煉獄さんの隣へ並べば、私のことを一瞥する猗窩座。



「お前ら柱だな？」

『…』

「その闘気。練り上げられている、至高の領域に近い(････････)。女のお前もな」

「俺は炎柱、煉獄杏寿郎だ」

『私は氷柱、神凪A』

「そうか、俺は猗窩座だ。女に興味はない。今すぐ消えろ」

『嫌だ』



力強くそう言葉を放てば、眉を顰めるも、まあいい。と不機嫌そうにする猗窩座。



「何故お前らが至高の領域に踏み入れないのか教えてやろう。人間だからだ、老いるからだ、死ぬからだ」



指を指し、淡々と言葉を紡いでいく猗窩座。



「鬼になろう、杏寿郎。そうすれば、百年でも二百年でも鍛錬し続けられる。強くなれる」

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