第65話 ページ21
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『かはっ…!』
「(受け身を取りおったな…大した傷にならなかった…)」
『ゲホッ!ゲホッ!』
…くっそ思いっきり攻撃しやがってこんにゃろ…!
でも、今、私…。
『(…一瞬…一瞬だけ、手足が竦んだ。"死"を恐れた)』
…だって、まだ16だよ?前世でも20歳までいきてたのに?
それに、原作を捻じ曲げてでもやりたい事…否、
『(まだ…死ねない…)』
「さっさとくたばれ!」
『(死ねないんだ…!!)
氷の呼吸 漆ノ型…』
「!!A!ダメ!」
『氷瀑』
ドカァアン!!
と、激しい音と、それに伴い舞う土煙。
『ハァ…ハァ…ゲホッ…!』
「A!」
『!時透くん!?どうやってこっちに…っていうか鬼は…』
と、顔を上げた瞬間、ペチン、と可愛らしい音がした。
ビンタをされた。多分めちゃくちゃ優しく。だって全然痛くない。
「何でもっと自分を大事にしてくれないの」
『…!』
「僕は、Aと出来るならずっと一緒に居たい」
『…時透くん…』
「僕の気持ちは、わかってくれない?」
『…ごめん、なさい…』
ポロポロと流れ出る涙。溢れる感情が抑えられない。
『ごめん…ごめんなさい…ごめんなさい…!』
「いいよ。わかってくれたなら」
ポンポンと私を抱きしめ、頭を撫でる時透くん。腕の中でひたすら涙を流していれば、ドォン!と地響きがする。
「『!!』」
『(まだ、生きて…!?)』
ドシッ…ドシッ…
と、重い足音で歩み寄ってくるのは、さっきの鬼の
「(頸がないのにどうして…)」
『(斬ったはずなのに…!!)』
近づいてくる鬼に、時透くんが下がってて。と私の前に立った。
『時透くん!』
「いいから」
『…っ』
ピリッと殺意と緊張が漂う中、ドン!と、鬼が1歩踏み出した瞬間、鬼の身体は崩れていく。
そして、見えたのは、弱々しい身体の少年。
「……ごめんなさい…」
『……』
「…ごめんなさい、ごめんなさい。お父さん、お母さん…」
必死に謝るその子は、涙を流しながら膝をついた。すると、フッと現れたのは多分その子の両親。
何て言ったのかわからない。その子は泣きながらホッとした顔で消えていった。
…あぁ、幸せな雰囲気。よかった、よかった…。
「A、どこか痛む?」
『えっ?』
「また泣いてる」
『……なんでもないよ』
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たくあん(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!!柱なので頑張ってもらっちゃいました!!!((笑 ありがとうございます( ; ; )頑張ります( ; ; ) (2019年12月27日 0時) (レス) id: 0c6fafeba7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 夢主ちゃん、下弦とのエンカウント率高www((更新頑張ってください!! (2019年12月22日 16時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ふらんさん» コメントありがとうございます!!ご期待に添える展開に持っていけるか不安ですが、更新頑張っていきます!!ありがとうございます( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます!!面白いって言って頂けて本当に嬉しいです( ; ; )更新頑張ります! (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 葵咲さん» コメントありがとうございます!( ; ; )うおお…う、嬉しい…!( ; ; )更新頑張ります!( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月25日 1時