第43話 ページ46
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夜、ふと目が覚めて、周りを見れば眠る3人。
…そうだ、鬼の気配もないから体力回復の為に普通に寝てたのか…。
『(……鬼狩りしてるはずなのに…これじゃ本当に…)』
隣で寝てた伊之助の布団を戻してやっていると、ギシ…と軋む音がした。
…誰かこっちに来てる…のか…?
何となくそう
「ん…?」
『しー…』
日輪刀を手にし、炭治郎と刀を構えていれば、足音は部屋の前で止まった。
そして、ギッ…と扉が少し開いた瞬間、飛び出す。
「ッ!?(速…っ!!)」
「ひっ…!」
『…部屋に何の用ですか、おばさん』
手に持っていた包丁を弾き、腕を捻りあげて刃を向ける。
「は、離しなさい!」
『目的は何ですか?』
「うるさい!」
『誰の指示ですか?』
「そんなの受けてないわ!」
『…質問を変えます。"どんな鬼"ですか』
「知らないわよそんなの!」
『……わかりました。なら、死んでください』
「ーーッ!」
「A!!!!」
トンっ、と柄でおばさんを眠らせると、ホッ…と安堵の息を零した炭治郎。
『本気で殺すと思った?』
「いや、そういう匂いではなかったから心配してなかったけど…刀を振り上げたから思わず…」
『…ごめんね』
おばさんを端へ寝かせ、羽織を着て日輪刀を腰に差す。
『炭治郎、善逸と伊之助が微妙に目を覚ましてるから、ちゃんと起きてからでいい。匂いを辿って来てくれる?』
「え!?1人で行くつもりなのか!?待ってくれ!おい!善逸!伊之助!」
『平気だよ。…嫌な雰囲気が漂ってるの。早く行かなきゃ、皆が危ない』
先に行ってるよ。と飛び出し、外へ出れば蔓延る鬼の気配。
…いる、確実に。そして、その鬼に支配されてる。
『(街の皆は…心も廃れていたんだ…だから…あんな……)』
自然と足が向かった先には、6年経った今も、まだ綺麗に残った自分の家。
…"外"は、綺麗なまま。
戸に手をかけ中へ入ると、埃や蜘蛛の巣だらけになっていた。でも、家具などはそのまま残っていた、血の跡も、薄らと。
『…時間が…止まったまま…』
ふと、顔を上げれば蘇る記憶。
…あぁ、お父さん、お母さん、お姉ちゃん…会いたい、
『…会い、たい……』
「愚かな人間だなぁ…」
スパン…!
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時