第32話 ページ35
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「待て!隊員同士でやり合うのがダメなんだ!素手だからいいとかじゃない!」
炭治郎がそう言って抑止しようとするも、伊之助はお構いなしに炭治郎に殴り掛かる。
『…やばいな…』
「やばいよ!つーかアイツ骨折ってるくせになんであんな動いてんの!?意味わかんねえ!!」
『!そうだ、止めなきゃ!』
「!?いや!そ、そうだけどそうじゃない!!」
と、立ち上がり止めに入ろうとすれば善逸に手を引かれた。
『善逸!』
「Aちゃんもさっき凄く苦しそうにしてたじゃないか!ダメだよ、自分の身体はちゃんと大事にしなきゃ…」
『――っ!』
そんな事を言われたのは、いつぶりだろうか。
…まぁまず、ここ3年は言われてないな。
『(自分が思っていたことを、まさか言われるとは…)』
ペタン、と座り込めば、だ、大丈夫?と心配そうな声で私を覗く善逸。
『うん、大丈夫。そうだよね、自分の身体は、大事にしないとね』
へへ、と笑って言えば、善逸は顔を真っ赤にした。
『(可愛い……)』
なんて思っていれば、ゴッ!と鈍い音がした。
『!炭治郎!!』
「凄いだろう俺は!凄いだろう俺は!!」
こんなことも出来るんだぜ!と、海老反りのような形を取る伊之助に、思わず、うわぁ…とガチの声が漏れてしまった。
「やめろそういうことするの!骨を痛めてる時はやめておけ!悪化するぞ!!」
「悪化上等!!今この刹那の愉悦に勝るものなし!!」
「将来のこともちゃんと考えろ!!ちょっと落ち着けェ!」
ゴシャ!と、本当に頭と頭がぶつかったの?みたいな音が鳴ると、よろけた伊之助の猪の被り物が落ちた。
「女!?え!?顔…」
「何だコラ…俺の顔に文句でもあんのか…!?」
…うひゃあ〜〜〜顔がイイ。
『(やばいな…生伊之助の顔面の破壊力…えっ…もう…好き……)』←
「君の顔に文句はない!こぢんまりしていて、色白でいいんじゃないかと思う!」
『ふっ…』
普通に褒めてるつもりなんだろうけどめっちゃ煽ってんだよな思わず笑っちゃった。
…やだ、子供たち、私を変人みたいな目で見ないで。((
「殺すぞテメェ!!かかって来い!!」
「駄目だもうかかって行かない!!」
「もう1発頭突いてみろ!!」
「もうしない!!君はちょっと座れ大丈夫か!」
と、伊之助の身体を考えて答えているのであろう炭治郎だが、伊之助が引くことはない。
「おいでこっぱち!!俺の名を教えてやる!嘴平伊之助だ!覚えておけ!!」
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時