第40話 ページ43
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夢を見た――。
お父さんとお母さんと姉さんと遠出して、現地の美味しいご飯を食べて、温泉に入って、家に帰って、次の日の仕事が憂鬱だー。なんて。
…あれ?仕事ってなんだっけ。
姉さん、家に帰ってきてるの珍しいね。彼氏さんと喧嘩したの?
…"姉さん"?私、お姉ちゃんって呼んでなかったっけ?
お父さん、いい加減ソファで寝るのやめなよ。風邪引くから。
…ソファ?それ、こんな時代にある?
お母さん、週末にさ、2人で新しく出来たアウトレット行こうよ。
…アウトレット?そんなの、今あるわけ…
…あれ?これ、いつの…?私は……
…A…!
…A!
…誰かが呼んでる…私を…呼んでる…。
…A、おかえり
…ああ、なんて、温かくて優しい声…
…A、まだ…行かないで。僕と一緒に居て。
…小さな手…でも、ちゃんと男の子の手だ…
…A!一緒に行こう!
…Aちゃーん!
…おい!勝負しろ!
「「A/ちゃん!」」
…みんなが…呼んでる…!
『ん…』
「「!!」」
「お、起きた…!」
「Aちゃぁぁん!!よかったよぉぉ…!」
『炭治郎…善逸…伊之助も…』
目を覚ませば、炭治郎や善逸がはぁぁ…と長い溜息を吐いていて、伊之助はじっとこちらを見つめていた。
起き上がろうとすれば、ズキンと痛む横腹。
…あ、そうだ私刺されたのか…。
「あ、無理に動いたらダメだぞ。傷は深いんだから…」
「俺もうほんっとに…このままAちゃんが目ェ覚まさなかったらどうしようかと…」
『?私、どれくらい寝てたの?』
「三日三晩だよ。善逸や伊之助が騒いでも起きなくて本当に怖かったんだからな」
「おい炭治郎!やめろよそういうこと言うの!」
「A!覚醒したなら勝負しろォ!」
「ふっざけんなよ!」
やいやいと目の前で繰り広げられるやり取りに、ふふっ、と笑いを零せば、どうかしたか?と炭治郎に聞かれた。
『ううん、なんか、嬉しくて。みんなが元気そうでよかった。眠ってる間に、嫌な夢を見た気がしたんだけど…そんなの忘れちゃうくらい、今、3人の顔見て安心してる』
ありがとう。そう言えば、それはこっちのセリフだよ!と善逸が言った。
「その傷…俺達を庇って負ったんだし…」
『あぁ、そう言えばそうだっけ。でも肋折ってる3人にそれ以上怪我させる訳にもいかなかったし…』
「Aは本当に逞しいな…ありがとうな、助けてくれて」
『どういたしまして!』
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時