第24話 ページ26
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あの後、無事に炭治郎とも打ち解け、近くの藤の花の家紋の家で一晩過ごすことになった。
「へえ、じゃあAは3年も前にあの最終選別受けたのか…」
『まあね』
「3年前かあ。まだ鬼の事なんて何にも知らなかった頃だな」
と、昔の話をしてくれる炭治郎。うん、うん。と相槌を入れつつ、あー、知ってるよ…頑張ったね…!なんて心の中で思った。
『(あぁ、でも、わかってたのに…助けてあげられなかったなぁ…)』
ゴロゴロと転がる禰豆子ちゃんの頭を撫でてやれば、気分の良さそうな声を上げ、私の手に擦り寄る。
『(がわいい…やばい…なんでこんなに可愛いの…)』
はぁ…と息を吐けば、どうした!?禰豆子、ちょっと離れろ!と言う炭治郎。
『や、違うの…禰豆子ちゃんが可愛すぎて…』
「Aは禰豆子の事随分気に入ってくれてるな!鬼なのに怖がりもしないし」
『だって、禰豆子ちゃんは悪い鬼じゃないし…何より、炭治郎が良い人なのは雰囲気でわかる。そんな人が連れてるんだもん。怖くないよ』
精一杯笑って言えば、炭治郎が少し照れ臭そうに頬を染めた。
…ん゙ん゙!炭治郎も可愛い…!
「…Aも良い人だってわかるよ。そういう匂いがするし…。…あ、そう言えば薬と藤の花の匂いもするな…」
『ああ、私の家薬売りだったから…日頃から薬は持ち歩いてるの。藤の花は…これのせいかな』
「?これも薬?」
『そー。私稀血ってやつでさ、鬼によく狙われちゃう体質なの。だから藤の花の混じった薬を飲んでるんだけど…結局鬼殺隊に入っちゃったからなあ…』
…今でも飲み続けてはいるけど、匂いは未だに消えないっぽいし、あんまり効果ないのかな。
『(それとも飲みすぎて身体に合わなくなってきたとか…?)』
「Aは稀血だからあんまり戦っちゃいけないのか?」
『うーん、それもあるかなあ』
「それ"も"?」
『うん。私、持病があるから、呼吸あんまり使えないの』
「そうか…大変だな、Aは…。…俺はあんまり病気もした事ないからわかってやれないけど…でも、これから一緒に居るなら、Aの事は、俺が守るよ」
『!』
Aの方が強いかもしれないけど…と、笑って言う炭治郎には多分、他意はなかったと思う。
でも、
『(恥ずかしいこと、サラッと言いやがって…!)』
「?A?どうかしたか?」
『なんでもないっ!炭治郎のばーか』
「えっ!?」
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時