検索窓
今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:2,308,713 hit

第22話 ページ24

.



「Aは可愛いな!」

「は?」



ニコニコしながら言う煉獄さんに思わず、私も冨岡さんも湯のみを落とした。



「な、何を…?煉獄さん…」

「…Aは可愛い」

「冨岡さんは少し黙ってて下さい」

「他人にあんなにも心配されたのは久方ぶりだったからな!余計に"そう"感じたのかもしれん!」



そう言って煉獄さんは嬉しそうに団子を食べる。

なんとなく状況が想像出来てしまった為、私も納得はしてしまった。

…ただ…。



「(それが所謂"恋"なのか"愛"なのか…その判断がついてるのかこの人…)」

「…Aは、少し母上に似ている」

「なら…「だが」

「この"感情"は母上と同じものではない」

「!」

「綺麗なものではないのだ。欲に塗れた、穢らしいもの…俺はそれを、彼女にあまり見せたくないのだが…」



我慢出来そうにもない。

そう言う煉獄さんに、思わず溜息を吐いてしまった。



「…Aは優しく繊細な子です。あまり無理強いしないで下さい」

「ふむ!」

「Aは誰にでも優しいだろう」

「「!」」



ぼそりと言う冨岡さんに頭を抱えたくなった。



「(ああ、柱にロクな男は居ない…)」



もしAが恋人を連れてこようものならちゃんと見極めてやらないと…。

そう心に誓っておいた。



* * *



あれから、煉獄さんを始め、柱の人たちと共に任務へ行ったり、時間をみつけて蝶屋敷に戻ってカナヲと訓練したり、沢山の経験をした。

沢山…この3年で色んな経験をした。

…そして、



『(藤の花は残り3枚…)』



未だに何がキッカケなのかわかっていない。2枚減ったのも、少し大きな戦闘と、なんて事ないただの日常だった。



『(あの日は、しのぶさんとカナヲと一緒にご飯を食べて…訓練して…夜は天元さんと任務で…任務が終わったら時透くんと一緒に次の任務に向かって…)』



思い返しても、なんて事ない1日。それなのに、何故かあの日は急に心臓が痛くなった。

発作ならよくあるけど、あの時のそれは別物だった。



『(…まぁ、藤の花がなくなったからと言って死ぬわけじゃ…)』



…ない。

なんて言い切れないから、こんなにもビクビクしながら生きているのだろう。



『…前世も今世も、結局20歳くらいまでしか生きれないのかなあ』



空を仰ぎながらぽつりと呟けば、カァ!と鳴きながら鎹鴉がやってきた。



「オ館様ヨリ!オ達シ!」

『お達し?』

「竈門炭治郎トソノ妹、禰豆子ト合流!2人ヲ監視セヨ!」

第23話→←第21話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (621 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1618人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。