第22話 ページ24
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「Aは可愛いな!」
「は?」
ニコニコしながら言う煉獄さんに思わず、私も冨岡さんも湯のみを落とした。
「な、何を…?煉獄さん…」
「…Aは可愛い」
「冨岡さんは少し黙ってて下さい」
「他人にあんなにも心配されたのは久方ぶりだったからな!余計に"そう"感じたのかもしれん!」
そう言って煉獄さんは嬉しそうに団子を食べる。
なんとなく状況が想像出来てしまった為、私も納得はしてしまった。
…ただ…。
「(それが所謂"恋"なのか"愛"なのか…その判断がついてるのかこの人…)」
「…Aは、少し母上に似ている」
「なら…「だが」
「この"感情"は母上と同じものではない」
「!」
「綺麗なものではないのだ。欲に塗れた、穢らしいもの…俺はそれを、彼女にあまり見せたくないのだが…」
我慢出来そうにもない。
そう言う煉獄さんに、思わず溜息を吐いてしまった。
「…Aは優しく繊細な子です。あまり無理強いしないで下さい」
「ふむ!」
「Aは誰にでも優しいだろう」
「「!」」
ぼそりと言う冨岡さんに頭を抱えたくなった。
「(ああ、柱にロクな男は居ない…)」
もしAが恋人を連れてこようものならちゃんと見極めてやらないと…。
そう心に誓っておいた。
* * *
あれから、煉獄さんを始め、柱の人たちと共に任務へ行ったり、時間をみつけて蝶屋敷に戻ってカナヲと訓練したり、沢山の経験をした。
沢山…この3年で色んな経験をした。
…そして、
『(藤の花は残り3枚…)』
未だに何がキッカケなのかわかっていない。2枚減ったのも、少し大きな戦闘と、なんて事ないただの日常だった。
『(あの日は、しのぶさんとカナヲと一緒にご飯を食べて…訓練して…夜は天元さんと任務で…任務が終わったら時透くんと一緒に次の任務に向かって…)』
思い返しても、なんて事ない1日。それなのに、何故かあの日は急に心臓が痛くなった。
発作ならよくあるけど、あの時のそれは別物だった。
『(…まぁ、藤の花がなくなったからと言って死ぬわけじゃ…)』
…ない。
なんて言い切れないから、こんなにもビクビクしながら生きているのだろう。
『…前世も今世も、結局20歳くらいまでしか生きれないのかなあ』
空を仰ぎながらぽつりと呟けば、カァ!と鳴きながら鎹鴉がやってきた。
「オ館様ヨリ!オ達シ!」
『お達し?』
「竈門炭治郎トソノ妹、禰豆子ト合流!2人ヲ監視セヨ!」
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時