ちぐはぐ�� ページ6
貴方 side
気持ち悪い
ut「大丈夫？Aちゃん」
鬱さんが、心配そうにこちらを覗き込んでくる。私は、つわりの気持ち悪さでどうにかなりそうだった。私は、近くの用意されている洗面器へと、胃の中のものを吐き出す。
ut「血の匂いが刺激になったんやな。すまんなぁ」
ゆっくりと背中をさする鬱さん。お礼を言おうと口を開こうとすると、ちょうど鬱さんが耳に手をあてた。
ut「はぁい、こちら鬱。どったん？‥…そかそか、ん？こっち？こっちは‥‥あー。Aちゃん絶賛つわり中〜。いや、そんな怒らんといてよげどちゃん。大丈夫！ちゃんと介抱しとるて！ん？シャオちゃん？ちょい待ち‥‥あー、繋がらんなぁ。今戦っとるとちゃう？」
え？
驚いて、鬱さんの方を振り向く。シャオちゃんが、戦っている？人を…
固まっていると、鬱さんと目が合った。彼はふにゃりと笑うと、「ちょい変わるわ」と言い、インカムを私に押し当てた。
ht「Aちゃん？」
「その声は、ひとらんさん？」
ht「ん、そうだよ。Aちゃん、落ち着いてね。今、たぶんシャオロンは戦っている。けど、アイツは強い。だから、安心して、ね？」
「は…い…」
ht「うん、いい子。いい？絶対にそこから動いちゃだめだからね、俺も今そっちに向かっている。だから、安心して」
知り合いが、こっちに向かっている。それだけで、少し心が楽になる。鬱さんがインカムを取ると、「状況が知りたいならロボロに言ってなー。もうそろそろ落ち着いた頃やろ」と言い、通信を終了した。
その後、何か言いたげにインカムを見る。
「鬱、さん？」
ut「なぁ、Aちゃん。ゲドちゃんの過去、知っとる？前に人間の恋人がいたって」
「え？はい、知ってます」
ut「そか‥‥」
大先生は、大きなため息を吐くと、ぐしゃぐしゃと片手で頭を搔き乱しながらしゃがみこんだ。
ut「ほんまに(嫌な作戦や)‥‥なぁ」
「え？」
肝心な中身を口に出さない鬱さんに、首を傾げる。鬱さんは半分だけ顔を出すと、眉を下げてへにゃりと力なく笑った。
ut「幸せになってな。Aちゃん。ほんまに」
その掠れた心の底からの願いと分かる言葉に、私は頷くことしかできなかった。
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ごり(プロフ) - 初めまして、素敵な作品ありがとうございます。初めて泣きながらお話を読まさせて頂きました。完結から時間が経っていますが、どうしても感想をお伝えしたくコメント書かせてもらいました。本当に本当に大好きなお話です。ありがとうございました。 (2022年7月11日 10時) (
レス) @page17 id: c2cbe84a63 (このIDを非表示/違反報告)
たけのこ派のきのこ(プロフ) - 泣いた (2020年10月13日 9時) (レス) id: a5c7da5ee8 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 都築さん» お待たせして申し訳ございません。実習が重なってしまって…。喰種は悲しい物語が多いので、幸せENDは最後にしたいとおもいます|дﾟ)ようやく会えた2人。さてどうなることやら… (2020年8月17日 18時) (レス) id: 96be6f7c71 (このIDを非表示/違反報告)
都築(プロフ) - 失礼します。めちゃくちゃ好きなので久しぶりの更新嬉しいです。体調には気をつけて頑張ってください。次の更新も楽しみにしてます。 (2020年8月16日 18時) (レス) id: e5f03274fe (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - 投稿楽しみです！頑張ってください！ (2020年1月27日 20時) (レス) id: 96285177cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおい | 作成日時：2019年11月10日 22時
