月の似合うあなた【skz】 (ページ8)

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8話ページ8

「遅いんだけど。」
失礼します、と部屋を出るとそこに待ち構えていたのは
「ゲ、リノさん……！」
「はあ？こっちはずっと待ってたあげたのに。ゲ、って何？」
「私リノさん苦手なんですよね。顔はいいのに……」
「腹立つくらいに正直だな」
私の態度にリノさんはムっとしたような表情を浮かべた。
「俺は今からあんたの事を案内しなきゃいけないの、大人しく付いてきて。……なんで俺がこんなこと…絶対ヨンボガとかスンミニの方が適任だろ……」
ぶつぶつ文句を言いながらも私の手を取る仕草は優しくてあれ、この人思っていたより優しいのかななんて、思う。
でも、
「え、これ手繋ぐ必要あります？」
私がそう言うとリノさんは無意識だったようで勢いよく手を離した。
「いちいちうるさいな、せいぜい迷子になるなよ」

リノさんは前を向いたままこちらを振り返ることは無かったけど耳まで真っ赤で、余計なことを言ってしまったのかもしれない。

「あ〜……えと、ごめんなさい？」
「もう口開かなくていいから。次開いたらティッシュ詰めるよ」