月の似合うあなた【skz】 (ページ7)

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7話ページ7

でも、リーダーさんの言っていた通りそういうものとして捉えるしかないのかもしれない。有耶無耶と考えていたら余計に頭がおかしくなりそうだ。
確かにこの世界と私の世界が別なら月が赤いのにもリーダーさんやリノさんは分からないけどアイエンさんが吸血鬼だ、と言ったのにも辻褄が合う。

「ああ、そういえばここには俺とリノとアイエン含めて8人の吸血鬼がいる。言ってしまえば君は人間で俺達にとっては格好の餌食だよ。気をつけて、ね？」

…いやあんたもかい、なんて言うツッコミは必死に心の中で押える。私格好の餌食なんだ。なんかもう、今なら何を言われてもう冷静に受け入れられる気がしてきた。
無事に面倒見てくれるらしいし、私ちゃんと帰れるらしいし。もうそれはそれは驚く程に今早く帰りたいで頭がいっぱいになってるけど

「分かりました、色々ありがとうございます。そういえばあなたの名前は……」
「バンチャン、チャニでいいよ。後満月までには暫く時間があるし敬語なんて堅苦しいからさ、気軽に話しかけて」

そういってリーダーさん…チャニは優しく微笑んで、私まで癒されてしまう。
この人、というか吸血鬼にはやっぱり落ち着ける、そんな性質がなにかがあるのだと思う。
何かあったらこの人を頼ろう、そう強く思った。

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